Michaelson & Austin TVA−1 4台目修理
寸評
  • 音を聞くと、初めTR(トランジスター)AMPと思わせる、これ真空管AMPと疑う!
    この巨大(強力)なトランスがその原動力でしょう
    マッキンのMC60/275の「サンドイッチ巻き+カソード帰還」による、高域の歪みの軽減の音とは対照的な、
    力強いく荒々しい低音の音が光ります
    真空管AMPの中では、一度は聞きたい機種です
平成15年8月9日到着   10月3日完成
A. 修理前の状況
  • 歪み多し。

B. 原因
  • 経年変化による、コンデンサーの容量抜け。

C. 修理状況
  • 終段(KT−88)、前段MT管ソケット交換。
    フイルムコンデンサー交換。
    電解コンデンサー増量・交換。
    配線手直し、補強。
    整流ダイオード交換。
    SP端子交換。
    RCA端子交換。
    高圧電解コンデンサー増量・交換。
    電源投入による突入電流抑制回路組み込み。
    終段KT88を3結/UL切り替え回路組み込み。

D. 使用部品
  • フイルムコンデンサー            9個 。
    USソケット                   4個。
    MTソケット                   4個。
    電解コンデンサー              10個。
    抵抗                        個 。
    整流ダイオード                 5個。
    半固定VR                    4個。
    SP端子                      4個。
    RCA端子                     4個。
    高圧電解コンデンサー             2個。
    突入電流抑制回路(リレー2個他)。
    終段KT88を3結/UL切り替え回路(リレー4個他)。

E. 調整・測定

F. 修理費  95,000円     お馴染み様価格=3台目より、オーバーホール修理。
                        但し、真空管は別途です。

G. 参考

S. Michaelson & Austin TVA−1 の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況
A11. 修理前の点検、 上から見る
A12. 修理前の点検、 下から見る カソード抵抗が2本交換して有る。 又、ヒータートランスが増設してある。
A21. 修理前の点検、 改良された出力トランス 2次巻き線は細い線を並列で使用。
                  しかし半田付けは最低、とんがりが沢山出ている
A22. 修理前の点検、 高圧電解コンデンサーは350WV/1000μ本来は400WV/1200μのはずです
A23. 修理前の点検、 電解コンデンサーが液漏れして交換してある、黒くなっている所が電解液が漏れた所。
                  電解コンデンサーの液は、ステンレス鋼板でもこの様に犯す。
A31. 修理前の点検、 KT−88のヒーター回路がいじられている。
                 12V+6V=18Vにして、抵抗で落としている、これでは6V巻き線の電流容量が足らない。
                 KT−88及び12AX7の規格表があれば解ること!
A32. 修理前の点検、 電源トランスの1次巻き線が100Vと120Vのタップ両方が接続してある。
           KT−88がパンクして、電解コンデンサー液漏れしたので、120Vに100Vを入力して、高圧を下げたのでしょう?
           真空管を知らない初心者が少ない知識で考え、到達した結論か?
A4. 修理前の点検、 放熱の為、スリッロが空いている
A5. 修理前の点検、 KT−88のソケット比較 中=交換するステアタイト製、両側=古いモールド製
A6. 修理前の点検、 応急処置で出力・歪み測定。
     R側=18V=40W 歪み率=3% 400HZ。
     L側=17V=36W 歪み率=2.8% 400HZ。
A71. 修理前の点検 ユーザーが購入し送られてきたKT−88 4本。
         未使用新品とのことですが長期在庫で足が腐食している。
         取りあえずは問題無いだろうが、後々の真空管の抜き差しに不安が残る。
         平成16年3月再修理(6ヶ月後)、この真空管が足の接触不良で、カソード抵抗が、焼けました。
A72. 修理前の点検 白箱もセロテープが粘着力を失っている、これはかなりの年数
A73. 修理前の点検 足ピンの拡大 
A74. 修理前の点検 足ピンの拡大 
C. 修理状況
C11. 修理前 前段AMP基板 ソケットは交換して有る
C12. 修理後 前段AMP基板 真空管ソケット4個、電解コンデンサー5個、フイルムコンデンサー4個交換
C13. 修理前 前段AMP基板裏 手抜きで引き出し線がみな銅箔に半田付け これでは銅箔が直ぐに剥離する
C14. 修理前 前段AMP基板裏 意味のない銅箔カットがある
C15. 修理(半田補正)後 前段AMP基板裏
C21. 修理前 整流・バイアス基盤
C22. 修理後 整流・バイアス基盤 整流ダイオード5個、半固定VR4個、電解コンデンサー5個、フイルムコンデンサー交換
C23. 修理前 整流・バイアス基盤裏 液漏れの後がある
C24. 修理(半田補正)後 整流・バイアス基盤裏
C25. 修理前 高圧電解コンデンサー
C26. 修理後 高圧電解コンデンサー 最終に使用したのは3900μ/400WV 2本  
C31. 修理前 RCA端子
C32. 修理後 RCA端子
C33. 修理前 SP端子
C34. 修理後 SP端子
C41. 修理前 KT88周り、2本のKT−88がショウトし安全抵抗が焼き切れ、交換した。
           セメント抵抗が7Wから10Wに交換されている、安全抵抗の意味が無い!
C42. 修理前 KT88のSG抵抗がラグ板に半田付けしていない。 勤勉な英国人も忘れる!
C43. 修理後 KT−88周り、KT−88のSGをプレート/出力トランスへ切り替えている。
           KT−88 おのおのに1個のリレー使用。
           これで「三結」と「五結」の違いが解る。
C51. 修理前 トランス端子の下手な半田付け L側
C52. 修理後 トランス端子の半田付け L側
C53. 修理前 トランス端子の下手な半田付け R側
C54. 修理後 トランス端子の半田付け R側
C6. 突入電流抑制回路。        詳しくはこちら
Amp Repair Studio
C71. 修理前 上から見る
Amp Repair Studio
C72. 修理後 上から見る
Amp Repair Studio
C73. 修理前 下から見る
C74. 修理後 完成 下から見る
C75. 修理後 完成 前上から見る
C76. 修理後 完成 後から見る 右端がSG切り替えSW
C8. 修理後 何と底板はアルミ製、念のためリレー部下にはゴムを張る
C9. 交換部品
E. 調整・測定
E1. 調整・出力測定
E211. (UL接続)SP出力22V=60.5W 歪み率=0.18%  1000HZ
E22. (UL接続)SP出力24V=72W 歪み率=1.6%  400HZ
E31. (三結接続)SP出力18V=40.5W 歪み率=0.19%  1000HZ
E32. (三結接続)SP出力18V=40.5W 歪み率=0.2%  400HZ
E4.  残留雑音 1.7mV 1000mV=1V
E6. 12時間エージング中。
G. 参考
F1. 電圧を下げた理由が解りました(推測)
    付いていた6550をテストで使用したら1本が内部放電し、空気が入りました
F2. 各メーカーのKT88外観比較
           左端=TESLA(4台目に新規使用)。 中左=KingDragon(4台目に付属)。
           中右=Svetlana(3台目に新規使用)。  右端= electro-harmonix 6550。
S. Michaelson & Austin TVA−1 の仕様(マニアルより) 
型式 管球式(終段KT-88 PP)ステレオパワーアンプ
実効出力 70W+70W
周波数特性 20Hz〜20kHz ±0.2dB、 10Hz〜25kHz -1.0dB
出力帯域幅 8Hz〜45kHz
SN比 -88dB以上
高調波歪率 0.05%以下(1kHz、5W出力時)
入力感度/インピーダンス 750mV/100kΩ
出力インピーダンス 4〜8Ω
電源 AC100V、50Hz/60Hz
外形寸法 幅457mm×高さ190mm×奥行280mm
重量 約32kg
                        tva1-4-1f
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