LUX CL-360 修理記録
平成25年2月19日到着  5月5日完成
A. 修理前の状況
  • 永く使っておりましたラックスSQ38FD-mk2,数日前,電源を投入した途端,「シャー」という音と共に何かが焦げるような臭いがし,出力管の一本が真っ赤になりました。
    びっくりして電源を落とし,もう一度投入しても同じように真っ赤。そして,音は出ません。
    そこで,早速,ラックスのサービスセンターへ連絡を入れましたが,出力管の異常ならば修理は受け付けられないとの回答でした。
    スピーカーはJBL「Aquarius-4」です。いくつかのアンプを使いましたが,ラックスのサンパチはとても相性がよく,家族全員,心地良い思いを続けていたものです。
    また,スピーカー端子をWBTに交換していただけますととても嬉しいです。


B. 原因
  • 経年変化による劣化。


C. 修理状況
  • Miniature Tubes管ソケット交換。
    電解コンデンサ交換。
    ブロック電解コンデンサー交換。
    整流ダイオード交換。
    半固定VR交換。
    配線手直し、補強。
    各部ハンダ補正。
    3Pインレットに交換。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
    RCA端子交換。
    アース端子交換。

U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定 別ファイルが開きます。

D. 使用部品
  • Miniature Tubes管ソケット交換  8個。
    電解コンデンサ            個。
    ブロック電解コンデンサ      4個。
    フイルムコンデンサ−        個。
    半固定VR              6個。
    整流ダイオード           8個。
    3Pインレット            1個。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
    RCA端子           10組20個。
    アース端子              1個。


E. 調整・測定

F. 上位測定器による調整・測定

G. 修理費          ,000円   オーバーホール修理。
                              但し、真空管は別途です。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. LUX CL-360 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A11. 外観 前から見る
A112. 外観 前から見る、 剥げがあるので、接着剤で固定する。
A12. 外観 前右から見る
A13. 外観 後から見る
A16. 点検中 RCA端子交換可能。
A17. 点検中 3Pインレットに交換。 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
A18. 点検中 上記3つの交換をする場合、裏蓋(パネル)を外すので、アース端子交換はサービス。
A19. 外観 後左から見る
A1A. 外観 上から見る
A21. 外観 下前から見る
A22. 外観 下前左から見る
A23. 外観 下後から見る
A24. 外観 下後右から見る
A25. 外観 下から見る
A36. 点検中 頭のビニールが膨れた電解コンデンサー
A37. 点検中 交換する真空管ソケットとの比較
A71. 点検中 「12AX7(ECC83)」
A72. 点検中 「12AX7(ECC83)」、袴を見る。
C. 修理状況
C11. 修理前 下から見る。
C12. 修理後 下から見る。
C21. 修理前 上から見る。
C212. 修理中 出力トランス、電解コンデンサーを取り外す。
C213. 修理(清掃)中 
C22. 修理後 上から見る。
C23. 修理後 真空管を挿し、上から見る。
C31. 修理前、メインAMP部。
C32. 修理後、メインAMP部。ユーザーの要望で出力トランス保護の為、50CA10にカソード抵抗挿入。
     50CA10が劣化して、プレートがカソードに短絡しても、このカソード抵抗が焼損し、出力トランスやチョークトランス等を保護する。 短所は、ほんの少しパワーダウンするだけです。
C33. 修理前、電源トランス付近。
C34. 修理後、電源トランス付近。
C41. 修理前、プリAMP部。
C42. 修理後、プリAMP部。
C52. 修理中、メインAMP部。 ソケットのピン固定のため、「ジャンク真空管」を挿入して配線を行う。
           使用する「ジャンク真空管」は、本来の出番は決して無い、TV球のダンパー管や高圧整流管です。
C61. 修理前、12AX7のソケット。
C62. 修理中、プリAMP部。 ソケットのピン固定のため、「ジャンク真空管」を挿入して配線を行う。
           使用する「ジャンク真空管」は、本来の出番は決して無い、TV球の高圧整流管です。
C63. 修理後、12AX7のソケット。
C71. 修理前、 電源ソケット。
C72. 修理(交換)後 3Pインレットに交換。 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
C91. 修理前、  RCA端子郡。
C92. 修理(交換)後、 テフロン絶縁RCA端子に交換、アース端子も交換。
C93. 修理(交換)後、 テフロン絶縁RCA端子裏、しっかりと接着する。
CA. 前パネル清掃中。
CB1. 交換部品。
CB2. 交換部品。
CB3. 交換部品、 電源高圧ブロック電解コンデンサー。
             左=新しい電解コンデンサー(100/100μ/500WV)、右=交換した物(47/47μ/450WV)。
CC1. 完成 前右から見る。
CC2. 完成 後左から見る。
CC3. 完成 後から見る。
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. CD_50Hz入力、R側SP出力電圧2V、 0.48%歪み。
                 L側SP出力電圧2V、 0.45%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. CD_100Hz入力、R側SP出力電圧2V、 0.19%歪み。
                    L側SP出力電圧2V、 0.19%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. CD_500Hz入力、R側SP出力電圧2V、 0.23%歪み。
                    L側SP出力電圧2V、 0.13%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. CD_1kHz入力、R側SP出力電圧2V、 0.23%歪み。
                  L側SP出力電圧2V、 0.16%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. CD_5kHz入力、R側SP出力電圧2V、 0.25%歪み。
                 L側SP出力電圧2V、 0.16%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. CD_10kHz入力、R側SP出力電圧2V、 0.33%歪み。
                   L側SP出力電圧2V、 0.34%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. CD_50kHz入力、R側SP出力電圧2V、 2.5%歪み。
                   L側SP出力電圧2V、 5.5%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. Phono_50Hz入力、R側SP出力電圧2V、 0.44%歪み。
                L側SP出力電圧2V、 0.69%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. Phono_100Hz入力、R側SP出力電圧2V、 0.28%歪み。
                 L側SP出力電圧2V、 0.30%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. Phono_500Hz入力、R側SP出力電圧2V、 0.35%歪み。
                 L側SP出力電圧2V、 0.44%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. Phono_1kHz入力、R側SP出力電圧2V、 0.38%歪み。
                L側SP出力電圧2V、 0.55%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. Phono_5kHz入力、R側SP出力電圧2V、 0.44%歪み。
                L側SP出力電圧2V、 0.51%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. Phono_10kHz入力、R側SP出力電圧2V、 0.55%歪み。
                 L側SP出力電圧2V、 0.66%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. Phono_50kHz入力、R側SP出力電圧8.7V=36W出力、 9.5%歪み。
                 L側SP出力電圧7.2V=36W出力、 6.5%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器によるプリAMP調整・測定
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F21. 入出力特性測定(AUX入力)
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F22. 歪み率特性測定(AUX入力)
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
        20kHzから悪くなっているのは、出力トランス保護の為、ローパスフイルターで出力をおとしている為。
F31. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(300HZ) & TREBLE(3KHZ) 最大
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F32. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(300HZ) & TREBLE(3KHZ) 最小
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmin、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F33. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(150HZ) & TREBLE(6KHZ) 最大
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F34. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(150HZ) & TREBLE(6KHZ) 最小
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmin、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F51. 入出力特性測定(AUX入力) LowFilter(100HZ) & HighFilter(5KHZ) ON
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F52. 入出力特性測定(AUX入力) LowFilter(50HZ) & HighFilter(9KHZ) ON
        CD入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F6. 入出力特性測定(Phono入力)=PHONO−1
      MM入力、入力電圧=2mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
E4. 完成、 24時間エージング中。 右は Sony TA−F7
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定
U1. 付属真空管 「12AU7」。 左から1本目.2.3....5本目。
       真空管ハンドブック(規格表)の、
       12AU7相互コンダクタンス2200μmho「Ep=250V、IP=10.5mA、Eg1=−8.5V」。
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966/実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U2. 付属真空管「12AU7」の足を見る。 左から1本目.2.3....5本目。
U11. 付属1本目 「12AU7」ユニット1。 Gm測定=3000μmho、IP=13.4mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−8.5V」。
U12. 付属1本目 「12AU7」ユニット2。 Gm測定=3000μmho、IP=14.6mA。
U21. 付属2本目 「12AU7」ユニット1。 Gm測定=2700μmho、IP=12.6mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−8.5V」。
U22. 付属2本目 「12AU7」ユニット2。 Gm測定=2800μmho、IP=13.0mA。
U31. 付属3本目 「12AU7」ユニット1。 Gm測定=2740μmho、IP=13.6mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−8.5V」。
U32. 付属3本目 「12AU7」ユニット2。 Gm測定=2800μmho、IP=15.7mA。
U41. 付属4本目 「12AU7」ユニット1。 Gm測定=2500μmho、IP=13.4mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−8.5V」。
U42. 付属4本目 「12AU7」ユニット2。 Gm測定=2540μmho、IP=12.9mA。
U51. 付属5本目 「12AU7」ユニット1。 Gm測定=2880μmho、IP=14.9mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−8.5V」。
U52. 付属5本目 「12AU7」ユニット2。 Gm測定=2300μmho、IP=13.4mA。
U4. 付属真空管「12AX7」。 右から1本目.2本目.3本目。
        真空管ハンドブック(規格表)の、
        12AX7(ECC83)相互コンダクタンス=1600μmho「Ep=250V、Ip=1.2mA、Eg1=−2V」。
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966/実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U5. 付属真空管「12AX7」の足を見る。 右から1本目.2.3....6本目。
U61. 付属1本目「12AX7」 ユニット1。 Gm測定=2000μmho、IP=1.6mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U62. 付属1本目「12AX7」ユニット2。 Gm測定=1960μmho、IP=1.6mA。
U71. 付属2本目「12AX7」ユニット1。 Gm測定=2000μmho、IP=1.6mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U72. 付属2本目「12AX7」ユニット2。 Gm測定=2140μmho、IP=1.7mA。
U81. 付属3本目「12AX7」ユニット1。 Gm測定=1900μmho、IP=1.4mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U82. 付属3本目「12AX7」ユニット2。 Gm測定=2000μmho、IP=1.5mA。
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況.
Y2. フアンを設置、 供給電圧を半分くらいで回すと静かです。
Y3. レコードプレヤーも接続
S. LUX Cl-360 の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 管球式コントロールアンプ CL−360
使用真空管 12AX7A/7025×3本、12AU7A/6189×5本
出力電圧 pre out=定格2V、最大20V以上
出力インピーダンス rec out=300Ω以下
pre out=300Ω以下
全高調波歪率 phono=0.05%以下(rec out=2V、1kHz)
CD、Tuner、Line=0.05%以下(pre out=2V、1kHz)
monitor 1、2=0.05%以下(pre out=2V、1kHz)
周波数特性 phono=20Hz〜20000Hz±0.3dB以内
CD、Tuner、Line=5Hz〜100000Hz±1dB以内
monitor 1、2=5Hz〜100000Hz±1dB以内
入力感度(出力=1.1V時) phono=1.8mV
CD、Tuner、Line=170mV
monitor1、2=170mV
入力インピーダンス phono=50kΩ
CD、Tuner、Line=100kΩ
monitor 1、2=100kΩ
SN比(IHF-A補正) Phono=81dB以上(5mV入力時)
CD、Tuner、Line=97dB以上
monitor1、2=97dB以上
トーン・コントロール LUX方式NF型
可変範囲=±8dB(精密型連続可変式)
低域湾曲点=300Hz、高域湾曲点=3kHz
低域用フィルター subsonic=15Hz、 lowcut=60Hz
ヘッドホンジャック 100mW/8Ω
付属装置 モニタースイッチ(tape1、2)
テープダビングスイッチ(1→2、2→1)
レコーディングスイッチ
モード・スイッチ(reverse、stereo、mono)
アッテネーター(-20dB)
トーン・スイッチ(in、out)
ラインフェーズセンサー
ACアウトレット3系統
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力(電気用品取締法) 40W
外径寸法 幅493×高さ142×奥行402mm
重量 11.5kg
価格 \364,800 1985年10月発売
                            sq38d-751
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