YAMAHA C2. 3台目修理記録
平成29年7月20到着  11月3日完成
注意 このAMPは基板が逆さになっております。
    よって、内部に熱がこもり、コンデンサーの寿命が短いです。 放熱には十分気を使ってください。
使用上の注意
A. 修理前の状況
  • 購入時期:1975年頃
      現状:ガリが発生。メインボリューム、バランス ともに回すと発生します。
  • 修理歴:10年ほど前、福島の猪苗代にいらっしゃる方を ネットで探し、修理依頼して、一旦直ったのですが、
       1、2年して症状復活し、その後、放置してある状態。
  • 当方希望:仕事柄転勤が多く、リスニング環境を整えられなかったため、当機購入以来、本領を発揮する機会が殆どないまま、劣化したのが、口惜しく、購入当時自分がイメージ していた音を再確認したいとの思いでご相談している次第です。
     オーバーホールによる徹底的甦りを希望します。


B.  原因・現状
  • EQ−AMPは雑音・歪み多い。
    バッファーAMP歪み多い。
    このAMPは基板が逆さになるため、放熱が悪く、熱がこもり、電解コンデンサーの劣化が進みます。

C. 修理状況
  • 全電解コンデンサー交換。
    半固定VR交換。
    足黒TR(トランジスター)交換。
    リレー修理(内部接点交換)。
    EQ−AMP初段FET(Field Effect Transistor)交換。
    電源ソケット交換(3Pインレット)。 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ

K. 裏パネル加工・塗装

D.  使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー          27個(ニチコン・ミューズ使用)。
    フイルムコンデンサー               24個。
    半固定VR                      10個。
    TR(トランジスター)                 個。
    FET(Field Effect Transistor)              2個。
    3Pインレット                      1個 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ

E. 調整・測定

F. 上位測定器による 調整・測定

F.  修理費(改造費)  140,000円
                 オーバーホール修理

Y. ユーザー宅の設置状況

S. YAMAHA C2 の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上蓋を取り、上から見る。 未半田補正が沢山有る。
A17. 点検中 上蓋を取り、上から見る。 RCA端子のコネクターに増設したRCA端子へのコネクターのジャンパー線。
A18. 点検中 鋏まれた上蓋へのLEDの配線。 技量に余裕が無いとミスを犯す。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る 電解コンデンサー同士を接着して有る。
           これはメインアンプで鳴きを防ぐ為に使用するが、通過電力の低いプリアンプでは意味無!
A31.  点検中 電源コード周り
A32.  点検中 電源コード周り。 3Pインレットに交換。
A41.  点検中 入力RCA端子
A42.  点検中 入力RCA端子。 テフロン絶縁製に交換。
A43.  点検中 出力RCA端子。
A44.  点検中 出力RCA端子。 テフロン絶縁製に交換。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C10.  修理中 前後パネル、コントロール基板を外したシャーシ。
C11.  修理前 電源基板。 電解コンデンサー同士を接着して有る。
           これはメインアンプで鳴きを防ぐ為に使用するが、通過電力の低いプリアンプでは意味無!
C112.  修理中 電源基板。 足黒TR(トランジスター)6個が未交換。
C113.  修理中 電源基板。 放熱器や電解コンデンサー固定するトルエン溶媒の接着剤。
C114.  修理中 電源基板。 トルエン溶媒の接着剤を取り去り、コートを塗布後。
C115.  修理中 電源基板。
               変更された電解コンデンサー。 左=付いていた33μ/35WV、右=本来の100μ/16WV。
              ESRに付いてはmuRataNichiconルビコンPanasonic参照。
              左=付いていた33μ/35WV、右=本来の100μ/16WV。
C12.  修理後 電源基板 足黒TR(トランジスター)6個、電解コンデンサー9個、半固定VR2個交換
C13.  修理前 電源基板裏
C14.  修理(半田補正)後 電源基板裏  全ての半田をやり修す。
C15.  完成電源基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C21.  修理前 コントロール基板 電解コンデンサー同士を接着して有る。
           これはメインアンプで鳴きを防ぐ為に使用するが、通過電力の低いプリアンプでは意味無!
C212.  修理中 コントロール基板 。 足黒TR(トランジスター)6個が未交換。
C213.  修理中 コントロール基板 。 足黒TR(トランジスター)6個が未交換。
C214.  修理中 コントロール基板、トーンコントロールSW(VR)。 1度解体されているので分解不可。
C215.  修理中 コントロール基板、モードSW(VR)。 1度解体されているので分解不可。
C22.  修理後 コントロール基板。
                足黒TR(トランジスター)12個、電解コンデンサー12個フイルムコンデンサー2個交換
C23.  修理前 コントロール基板裏。 未半田補正が沢山有る。
C232.  修理中 コントロール基板裏、メインVR端子。
C24. 修理(半田補正)後 コントロール基板裏  全ての半田をやり修す
C25. 完成コントロール基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C26. 完成コントロール基板裏 右側。 洗浄後防湿材を塗る。
C27. 完成コントロール基板裏 左側。 洗浄後防湿材を塗る。
C31.  修理前 EQ基板 電解コンデンサー同士を接着して有る。
           これはメインアンプで鳴きを防ぐ為に使用するが、通過電力の低いプリアンプでは意味無!
C312.  修理前 EQ基板 。 足黒TR(トランジスター)7個が未交換。
C32.  修理後 EQ基板 電解コンデンサー20個、フイルムコンデンサー2個、足黒TR(トランジスター)14個交換
C33.  修理前 EQ基板裏。 未半田補正が沢山有る。
C34. 修理(半田補正)後 EQ基板裏  全ての半田をやり修す
C35. 完成EQ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理中 メインVR+バランスVR清掃。 少し軸の曲がりあり?
           取り外さないで、接点復活材を使用すると、軸のグリスが溶け出し、
           やがて、抵抗体や接点に皮膜を作る事になる。 松下電器製。
C42. 修理中 メインVR清掃。 半田押さえ紙を越し半田が貯まっている端子あり。
C51. 修理前 電源SW基板
C52. 修理中 電源SW基板裏
C53. 修理(半田補正)後 電源SW基板裏  全ての半田をやり修す
C54. 完成電源SW基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 入力RCA端子郡
C62. 修理(交換)後 入力RCA端子郡
C71. 修理前 修理前 出力RCA端子郡
C72. 修理(交換後  修理前 出力RCA端子郡
C81. 修理前 ACコード
C82. 修理中 ACインレットソケット取付 穴開け
C83.完成  ACインレットソケット取付
CC1. 交換部品。 
CC2. 交換部品、 足黒TR(トランジスター)。
CC3. 交換部品、 足が足され延長した三洋のOSコン?
CD1. 修理前 上から
CD2. 修理後 上から
CD3. 修理前 下から
CD4. 修理後 下から
K. 裏パネル加工・塗装。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
K11. 修理前 後パネル。
K12. 修理(塗装)後 後パネル。
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. AUX、50Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00271%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00263%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. AUX、100Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00278%歪み。
                    L側出力電圧2V、 0.00278%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. AUX、500Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00251%歪み。
                    L側出力電圧2V、 0.00259%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. AUX、1kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00250%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00256%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. AUX、5kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00250%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00254%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. AUX、10kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00260%歪み。
                    L側出力電圧2V、 0.00267%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. AUX、50kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00937%歪み。
                    L側出力電圧2V、 0.00956%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E18. AUX、100kHz入力=R側出力電圧2V、 0.0270%歪み。
                      L側出力電圧2V、 0.0269%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E21. MM、50Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00340%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00338%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM、100Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00378%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.0363%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM、500Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00222%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00267%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM、1kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00223%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00317%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM、5kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00411%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00408%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. MM、10kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00560%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00569%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM、50kHz入力=R側出力電圧1.6V、 0.0234%歪み。
                   L側出力電圧1.6V、 0.0228%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E31. MC、50Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00485%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00471%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MC、100Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00504%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00502%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MC、500Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00559%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00500%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MC、1kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00550%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00499%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MC、5kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00709%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00724%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MC、10kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00699%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00716%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MC、50kHz入力=R側出力電圧1.6V、 0.01969%歪み。
                   L側出力電圧1.6V、 0.0501%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器による 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F11. 入出力特性測定(AUX入力)。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmaF、平均で1.0V出力。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F12. 歪み率特性測定(AUX入力)
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F13. 入出力特性測定(AUX入力)、 SubSonic(17Hz)) ON。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F14. 入出力特性測定(AUX入力)、 BASS & TREBLE 最大。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F15. 入出力特性測定(AUX入力)、 BASS( & TREBLE( 最小。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F2. 入出力特性測定(MM入力)。
      MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax、  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F3. 入出力特性測定(MC入力)。
      MC入力 入力電圧=0.11mV一定入力 VRはmax、 左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. YAMAHA C2 の仕様(カタログ・マニアルより)
型式 コントロールアンプ C2
入力感度/インピーダンス Phono1/2=2mV/47kΩ
Phono3(MC)=50μV/10kΩ
Tuner、Aux=120mV/47kΩ
Tape PB A/B=120mV/47kΩ
最大許容入力 Phono1/2=30mV(20Hz)、300mV(1kHz)、3000mV(20kHz)
Phono3= 1.25mV(20Hz)、7.5mV(1kHz)、20mV(20kHz)
出力レベル/インピーダンス Pre out 1/2=775mV/400Ω
Rec out 1/2=120mV/660Ω
周波数特性 Phono1/2/3(RIAA偏差)=30Hz?15kHz ±0.2dB
Tuner、Aux=5Hz?100kHz +0 -1.5dB
Tape A/B=5Hz?100kHz +0 -1.5dB
SN比(IHF-Aネットワーク) Phono1/2=85dB(2mV定格入力時、入力ショート)、
        99dB(10mV入力時、入力ショート)
Phono3=70dB(50μV定格入力時、入力50Ωショート)
Tuner、Aux=100dB(入力ショート)
残留ノイズ -∞dB
歪率 Phono1/2=0.003%以下(VRmax、7.75V出力)
        0.003%以下(VR-30dB、775mV出力)
Phono3(MC)= 0.02%以下(VRmax、7.75V出力)
          0.05%以下(VR-30dB、775mV出力)
Tuner、Aux、Tape A/B= 0.003%以下(VRmax、7.75V出力)
                0.003%以下(VR-30dB、775mV出力)
トーンコントロール カットオフ周波数
 Bass=350Hz
 Treble=3.5kHz
変化量(Bass=20Hz、Treble=20kHz)
 0、±1.5、±1.5、±2.0、±3.0、±4.0、±5.0、±6.0、±8.0、±10dB
サブソニックフィルター 15Hz、12dB/oct
ミューティング -20dB、off
使用半導体 IC=2個
FETモジュール=4個
FET=2個
トランジスタ=61個
ツェナーダイオード=7個
ダイオード=23個
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 25W
外形寸法 幅435×高さ72×奥行320mm
重量 7.8kg
価格 150,000(1976年頃)
                         c2-32o
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