HCA−8000. 2台目修理記録
同時修理HMA−F3。  過去の修理品SC−Λ90F、 TEACPA−7
    2020/11/20到着  12/8完成
A. 修理前の状況
  • 今回、コントロールアンプ、パワーアンプの修理について相談です。
    1機種はコントロールアンプ、HITACHI、Lo-DのHCA-8000です。
    これは3台ありまして、1台は10年前に入手しましたが3年ほどして、入力切替スイッチが戻りづらくなりそのまま不使用。
    2台目は4年ほど前に入手しましたが、ボリュームにガリが出ました。
    3台目も不調です。いずれも現在は不使用です。
    2機種目はパワーアンプ、HITACHI、Lo-DのHMA-F3(HMA-8500のミニコンポ版) 。
    入力感度が小さいと感じます。


B. 原因・現状
  • 抵抗断線でLED表示しない。
    各部経年劣化おおし。
    ヒューズ入り抵抗が、普通の抵抗に置き換えてある。

C. 修理状況
  • 全電解コンデンサー交換。
    半固定VR交換。
    リレー交換。
    1部FET(電界効果トランジスター)交換。
    1部抵抗交換。
    1部フイルムコンデンサー・追加交換。
    OP−AMP交換。
    トランス2次側にヒューズ挿入
    整流ダイオード交換。

D. 使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー           24個(ニチコン・ミューズ使用)。
    FETモジュール                    4個。
    半固定VR                       4個。
    抵抗                           6個。
    フイルムコンデンサー                4個。
    OP−AMP                      2個。
    ヒューズホルダー                  2組。
    整流ダイオード                    4個。
    ヒューズ                        2本。


E. 調整・測定

F. 上位測定器による 調整・測定

G. 修理費
         100,000円
                 オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. HCA−8000 の仕様(カタログ・マニアルより)


A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上蓋を取り、上から見る
A17. 点検中 ヒューズ入り抵抗が、普通の抵抗に置き換えてある。
A18. 点検中 抵抗が焼けて割れて入る。
A19. 点検中 OP−AMPの足が酸化して真っ黒、上のICも同様。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A31. 点検中 入力RCA端子。
A32. 点検中 入力RCA端子。 テフロン絶縁製に交換可能。 WBT−0201端子への交換は定価で工賃込み。
A33. 点検中  出力RCA端子。
A34. 点検中  出力RCA端子。 テフロン絶縁製に交換可能。 WBT−0201端子への交換は定価で工賃込み。
A41. 点検中 電源コード取り付け。
A42. 点検中 電源コードを3Pインレットに交換可能。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用。
A51. 点検中 電源ブロック電解コンデンサー比較。 交換する左=4700μ/50WV、着いていた右=1000μ/50WV、
C. 修理状況
C11. 修理中 基板全体
C12. 修理後 基板全体
C13. 修理中 基板全体裏
C14. 修理(半田補正)後 基板全体裏、 半田を全部やり直す。
C15. 完成基板全体裏、洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 EQ−AMP部
C22. 修理後 EQ−AMP部。 FETモジュール2個、半固定VR2個、電解コンデンサー6個、ヒューズ入り抵抗3個交換。
C23. 修理前 EQ−AMP部裏
C24. 修理(半田補正)後 EQ−AMP部裏 、 全ての半田をやり修す。
C25. 完成EQ−AMP基板裏、洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 各種SW郡部
C32. 修理後 各種SW郡。 電解コンデンサー4個交換。
C33. 修理前 各種SW郡裏
C34. 修理(半田補正)後 各種SW郡裏。  全ての半田をやり修す。
C35. 完成各種SW郡裏 洗浄後
C41. 修理前 トーンコントロール部
C42. 修理後 トーンコントロール部。 FETモジュール2個、OP−AMP1個、半固定VR2個、電解コンデンサー10個交換。
C43. 修理前 トーンコントロールP部裏 
C44. 修理(半田補正)後 トーンコントロール部裏。  全ての半田をやり修す。
C45. 完成トーンコントロール部裏、洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 電源部
C52. 修理後 電源部。 整流ダイオード4個、電解コンデンサー4個、抵抗4個交換。
C53. 修理前 電源部2次側ヒューズ。省かれている!!
C54. 修理後 電源部2次側ヒューズ。 ヒューズホルダー2組追加。
C55. 修理前 電源部裏
C56. 修理(半田補正)後 電源部裏、  全ての半田をやり修す。フイルムコンデンサー2個追加。
C57. 完成電源部裏、洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 TAPE−SW基板裏
C62. 修理(半田補正)後 TAPE−SW基板裏、  全ての半田をやり修す。
C63. 完成TAPE−SW基板裏、洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理中 入力切替表示LED基板
C72. 修理前 入力切替表示LED基板裏
C73. 修理(半田補正)後 入力切替表示LED基板裏。  全ての半田をやり修す。
C74. 完成入力切替表示LED基板裏、洗浄後防湿材を塗る。
C81. 修理前 電源表示LED基板裏
C82. 修理(半田補正)後 電源表示LED基板裏。  全ての半田をやり修す。
C83. 完成電源表示LED基板裏、洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理前 電源コンセント裏基板裏
C92. 修理(半田補正)後 電源コンセント裏基板裏、  全ての半田をやり修す。
C93. 完成電源コンセント裏基板裏、洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 トーンコントロール部シールド、錆が出ている。
CA2. 修理(塗装)後 トーンコントロール部シールド。 軽くラッカーを塗装する。
CA3. 修理前 トーンコントロール部シールド反対側、錆が出ている。 
CA4. 修理(塗装)後 トーンコントロール部シールド反対側。 軽くラッカーを塗装する。
CB. 清掃中 主VR、カシメ構造なのでこれまで。
CC. パネル・ツマミ清掃中
CD1. 交換部品
CD2. 交換部品、足が黒く酸化したOP−AMP。
CE1. 修理前 上から
CE2. 修理後 上から
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. AUX、50Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00396%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00443%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. AUX、100Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00397%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00445%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. AUX、500Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00364%歪み。
                   L側出力電圧2V、 0.00448%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. AUX、1kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00366%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00450%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. AUX、5kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00385%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00455%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. AUX、10kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00411%歪み。
                    L側出力電圧2V、 0.00471%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. AUX、50kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00361%歪み。
                    L側出力電圧2V、 0.00394%歪み。
                    「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E21. MM、50Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00791%歪み。
                 L側出力電圧2V、 0.00825%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM、100Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00445%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00508%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM、500Hz入力=R側出力電圧2V、 0.00501%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00517%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM、1kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00505%歪み。
                 L側出力電圧2V、 0.00539%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM、5kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00523%歪み。
                 L側出力電圧2V、 0.00576%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. MM、10kHz入力=R側出力電圧2V、 0.00786%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.00684%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM、50kHz入力=R側出力電圧2V、 0.0255%歪み。
                  L側出力電圧2V、 0.0257%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E31. MC_50Hz入力、 R側出力電圧=2V、 0.00737%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00708%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MC_100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00412%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00448%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MC_500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00480%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00460%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MC_1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00470%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00411%歪み。
                      「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MC_5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00734%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00838%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MC_10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00809%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00691%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MC_50kHz入力、R側出力電圧=1.5V、 0.0272%歪み。
                 L側出力電圧=1.5V、 0.01331%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器による 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F1. 入出力特性測定(AUX入力)。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmaF、平均で1V出力。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F2. 入出力特性測定(AUX入力)、 SubSonic(15Hz) ON。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F3. 歪み率特性測定(AUX入力)
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F4. 入出力特性測定(AUX入力)、 BASS(300Hz) & TREBLE(3kHz) 最大。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F5. 入出力特性測定(AUX入力)、 BASS(300Hz) & TREBLE(3kHz) 最小。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F6. 入出力特性測定(AUX入力)、 BASS(150Hz) & TREBLE(3kHz) 最大。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F7. 入出力特性測定(AUX入力)、 BASS(150Hz) & TREBLE(3kHz) 最小。
                        AUX入力端子へ150mV一定入力。VRはmax。
                        左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色。
F8. 入出力特性測定(MM入力)。
      MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax、   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F9. 入出力特性測定(MC入力)。
      MC入力 入力電圧=0.2mV一定入力 VRはmax、   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
EA. 完成  24時間エージング、 右はYAMAHA ヤマハ(株) C−2a. 4台目
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. HCA−8000 の仕様(カタログ・マニアルより) 
型式 コントロールアンプ HCA−8000
入力感度/インピーダンス Phono MM:2.5mV/22kΩ、47kΩ、100kΩ
Phono MC:0.1mV、2.5mV/100Ω
Tuner、Aux、Tape1/2:150mV/47kΩ
Phono最大許容入力 MM:260mV、MC:10mV
出力レベル/インピーダンス Tape rec out1/2:150mV/600Ω、Pre out:1V/600Ω
SN比(IHF-Aネットワーク) Phono MM:91dB(2.5mV入力時)
Phono MC:75dB(0.25mV入力時)
Tuner、Aux、Tape1/2:104dB
全高調波歪率 Phono MM/MC:0.005%以下
Tuner、Aux、Tape:0.005%以下
トーンコントロール Bass:±8dB(50Hz、100Hz/ターンオーバー周波数150Hz、300Hz)
Treble:±8dB(10kHz、20kHz/ターンオーバー周波数3kHz、6kHz)
フィルター特性 Low:15Hz、6dB/oct
ミューティング -20dB
ACアウトレット 電源スイッチ連動:2系統、電源スイッチ非連動:2系統
定格消費電力 13W
外形寸法 幅435x高さ83x奥行292mm
重量 4.5kg
価格 ¥70,000(1982年頃)
                       hca8000_22v
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