Sansui AU−α907 DR 修理記録
2022/4/7持込  5/21完成
注意 このAMPはRL−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
A. 修理前の状況
  • Sansui AU−α907 DRを使用しており、CD、PHONO共に左右の音のバランスが悪く左が強く右が弱い状態です。

B. 原因
  • バランスVR聴かない。
    半固定VR劣化。
    各部経年劣化。
    オーバーホール修理依頼。


C. 修理状況
  • SP接続リレー交換。
    バランス・バイアス半固定VR交換。
    各基板の半田不良を修理します、所謂、半田補正作業。
    大型を除く電解コンデンサーをオーディオコンデンサーに交換。
    SP接続端子補強
    終段FET(電界効果トランジスター)のマイカーをテフロンシートに交換。

D. 使用部品
  • バランス/バイアス半固定VR 13mmΦ高級品       10個。
    SP接続リレ                               2個。
    電解コンデンサー(ミューズ使用)                 58個。
    フイルムコンデンサー                         8個。
    抵抗                                   2個。
    テフロンシート                            16枚。


E. 調整・測定

F. 修理費  130,000円    オーバーホール修理

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sansui AU−α907 DR の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上下蓋、左右パネルを取り、上から見る
A17. 点検中 ブロック電解コンデンサーの頭のビニールむけは無。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A51. 点検中 SP接続端子。取り付け穴が大きく、後ろに基板ある。
A52. 点検中 SP接続端子。取り付け穴が大きく、後ろに基板ある。WBT製品に交換可能、今回は見送り。
           WBT−0705Ag WBT−0705Cu以外交換不可。下記は1組4個のみ使用。
A61. 点検中 入出力RCA端子。
A62. 点検中 入出力RCA端子。 テフロン絶縁製に交換可能、今回は見送り。
A63. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A64. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A65. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 基板を取り外して修理中、後から見る。
C11. 修理前 Protector(SP接続リレー)基板。
C12. 修理中 Protector(SP接続リレー)基板。 SP接続端子を取る。
C13. 修理後 Protector(SP接続リレー)基板。 接続リレー2個、電解コンデンサー12個交換
C14. 修理前 Protector(SP接続リレー)基板裏
C15. 修理(半田補正)後 Protector(SP接続リレー)基板裏、 全半田やり直し。
C16. 完成Protector(SP接続リレー)基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理中 SP接続端子裏。
C22. 修理中 SP接続端子裏。 網線で補強する。
C23. 修理中 SP接続端子裏。 さらにホットボンドで固める。
C24. 修理中 SP接続端子裏。 端子を絶縁する。
C31. 修理前 R側終段AMPブロック。
C32. 修理中 R側終段AMPブロック。終段FET(電界効果トランジスター)のマイカーをテフロンシートに交換。
C33. 修理後 R側終段AMPブロック
C41. 修理前 R側メインアンプ基板。 LAPT2=Linear amplifier power transistor.
C42. 修理中 R側メインアンプ基板。 電解コンデンサー固定用の接着材。
C43. 修理中 R側メインアンプ基板。 電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いて、防湿材を塗る。
C44. 修理後 R側メインアンプ基板。 半固定VR4個、電解コンデンサー個17交換、FET(電界効果トランジスター)2個。
C45. 修理前 R側メインアンプ基板裏
C46. 修理(半田補正)後 R側メインアンプ基板裏。 全半田やり直し。
C47. 完成R側メインアンプ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 L側終段AMPブロック
C512. 修理中 L側終段AMPブロック。頭の膨れた電解コンデンサー。
C52. 修理中 L側終段AMPブロック。終段FET(電界効果トランジスター)のマイカーをテフロンシートに交換。
C53. 修理後 L側終段AMPブロック
C61. 修理前 L側メインアンプ基板。 LAPT2=Linear amplifier power transistor.
C62. 修理中 L側メインアンプ基板。 電解コンデンサー固定用の接着材。
C63. 修理中 L側メインアンプ基板。 電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いて、防湿材を塗る。
C64. 修理後 L側メインアンプ基板。 半固定VR4個、電解コンデンサー個17交換、FET(電界効果トランジスター)2個。
C65. 修理前 L側メインアンプ基板裏
C66. 修理(半田補正)後 L側メインアンプ基板裏。 全半田やり直し。
C67. 完成L側メインアンプ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C7. 前パネル&前シャシーを外して修理中
C71. 修理前 コントロール基板
C72. 修理後 コントロール基板 半固定VR2個、電解コンデンサー個10交換。
           写真紛失
C73. 修理前 コントロール基板裏
C733. 修理中 コントロール基板裏、バランスVRは短絡してある。
C74. 修理(半田補正)後、コントロール基板裏。全半田やり直し。抵抗2個追加。
C75. 完成コントロール基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C81. 修理前 メインVR基板
C82. 修理前 メインVR基板裏
C83. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏、全半田やり直し。
C84. 完成メインVR基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理前 PowerAmpDirect SW基板
C92. 修理前 PowerAmpDirect SW基板裏
C93. 修理(半田補正)後 PowerAmpDirect SW基板裏、全半田やり直し。
C94. 完成PowerAmpDirect SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C95. 修理前 PowerAmpDirectインジケーターSW基板
C96. 修理前 PowerAmpDirectインジケーターSW基板裏
C97. 修理(半田補正)後 PowerAmpDirectインジケーターSW基板裏、全半田やり直し。
C98. 完成PowerAmpDirectインジケーターSW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C99. 修理前 PowerAmpDirectインジケーターSW基板2
C9A. 修理前 PowerAmpDirectインジケーターSW基板2裏
C9B. 修理(半田補正)後 PowerAmpDirectインジケーターSW基板2裏、全半田やり直し。
C9C. 完成PowerAmpDirectインジケーターSW基板2裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 SourceDirect SW基板
CA2. 修理前 SourceDirect SW基板裏
CA3. 修理(半田補正)後 SourceDirect SW基板裏、全半田やり直し。
CA4. 完成SourceDirect SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CB1. 修理前 Tape/DAT切替SW基板
CB2. 修理前 Tape/DAT切替SW基板裏
CB3. 修理(半田補正)後 Tape/DAT切替lSW基板裏、全半田やり直し。
CB4. 完成Tape/DAT切替SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CC1. 修理前 入力切替SW基板
CC2. 修理前 入力切替SW基板裏
CC3. 修理(半田補正)後 入力切替SW基板裏、全半田やり直し。
CC4. 完成入力切替SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CC5. 修理前 入力インジケーター基板、ヒビが入っている。
CC6. 修理前 入力インジケーター基板裏
CC7. 修理(半田補正)後 入力インジケーター基板裏、全半田やり直し。
CC8. 完成入力インジケーター基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CD1. 修理前 プロテクターインジケーター基板
CD2. 修理前 プロテクターインジケーター基板裏
CD3. 修理(半田補正)後 プロテクターインジケーター基板裏、全半田やり直し。
CD4. 完成プロテクターインジケーター基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CE1. 修理前 Head Phone Jack基板
CE2. 修理前 Head Phone Jack基板裏
CE3. 修理(半田補正)後 Head Phone Jack基板裏、全半田やり直し。
CE4. 完成Head Phone Jack基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CF1. 修理前 EQ基板
CF2. 修理後 EQ基板 電解コンデンサー14個交換
CF3. 修理前 EQ基板裏
CF4. 修理(半田補正)後 EQ基板裏、 全半田やり直し。
CF5. 完成EQ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CG1. 修理前 TAPE/DAT端子基板
CG2. 修理前 TAPE/DAT端子基板裏
CG3. 修理(半田補正)後 TAPE/DAT端子基板裏、 全半田やり直し。
CG4. 完成 TAPE/DAT端子基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CH1. 修理前 整流・定電圧基板
CH2. 修理後 整流・定電圧基板 電解コンデンサー4個交換
CH3. 修理前 整流・定電圧基板裏
CH4. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏。 全半田やり直し。
CH5. 完成整流・定電圧基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CI1. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー下。
CI2. 修理後 電源ブロック電解コンデンサー下。 フイルムコンデンサー3個追加。
CJ1. 修理前 3Pインレット裏配線、アース無。 
CJ2. 修理後 3Pインレット裏配線、アースをしっかり取る。 
CJ3. 修理前 3Pインレットのハンダ付け。 
CJ4. 修理後 3Pインレットのハンダ付け、十分に盛る。 
CK. パネル清掃
CL1. 交換部品
CL2. 交換部品、半固定VR。
CM1. 修理前 上から見る
CM2. 修理後 上から見る
CM3. 修理前 下から見る
CM4. 修理後 下から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. CD_50Hz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0044%歪み。
                L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0046%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. CD_100Hz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0045%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0045%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. CD_500Hz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0082%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0085%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. CD_1kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0082%歪み。
                L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0085%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. CD_5kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0184%歪み。
                L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0174%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E16. CD_10kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.01080%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0159%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. CD_20kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0147%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0156%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM_50Hz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0101%歪み。
                L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0100%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM_100Hz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0152%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0151%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM_500Hz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0109%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0181%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM_1kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0137%歪み。
                L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0101%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM_5kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0172%歪み。
                L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0192%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. MM_10kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0157%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0166%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM_20kHz入力、R側SP出力電圧36V=162W出力、 0.0221%歪み。
                 L側SP出力電圧36V=162W出力、 0.037%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成  24時間エージング、 左はAU−D907X. 14台目
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. Sansui AU−α907 DR の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドアンプ  AUα907 DR
パワーアンプ部
定格出力(20Hz〜20kHz、
両ch同時作動、THD0.003%)
6Ω=190W+190W
8Ω=160W+160W
全高調波歪率 0.003%以下(定格出力時、20Hz〜20kHz、8Ω負荷)
周波数特性 DC〜300kHz、+0 -3dB(1W出力時)
混変調歪率 0.003%以下(8Ω負荷時)
ダンピングファクター 150(8Ω)
入力感度/インピーダンス 1V/5kΩ(1kHz)
SN比 120dB以上(Aネットワーク)
ダイナミックパワー 6Ω=310W、4Ω=390W、2Ω=580W
TIM歪(SAWTOOTH) 測定限界値以下
スルーレイト 200V/μsec
ライズ・タイム 0.5μsec
プリアンプ部
入力感度/インピーダンス
(1kHz)
Phono MM=2.5mV/47kΩ、Phono MC=300μV/100Ω
CD、Tuner、Line、Tape/DAT1・2・3=150mV/20kΩ
Phono最大許容入力 MM(THD 0.01%)=250mV、MC(THD 0.1%)=25mV
周波数特性(1W) Phono MM=20Hz〜20kHz、±0.2dB
CD、Tuner、Line、Tape/DAT-1・2・3=DC〜300Hz、+0 -3dB
SN比(Aネットワーク) Phono MM=90dB以上、Phono MC=75dB以上
CD、Tuner、Line、Tape/DAT-1・2・3=110dB以上
トーンコントロール BASS最大変化量=±5dB(50Hz)、TREBLE最大変化量=±5dB(15kHz)
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB)、6dB/oct
ラウドネス 50Hz=+4dB、10kHz=+3dB
総合
定格消費電力 400W
外形寸法 幅460x高さ159x奥行446mm
重量 33.0kg
価格 ¥250,000(1990年発売)
                      aua907dr-3s
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