Sansui AU−α907. 3台目修理記録
平成20年4月2日持込   5月14日完成
注意 このAMPはSP出力の線(アース側)も増幅しています。
    アースに接続してはいけません。RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません
    又、DC−入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=詳しくはここ参照

    終段FET(電界効果トランジスター)を、現在の高性能に交換してありますので、出力が1.2倍出ますので注意して使用する事
A. 修理前の状況
  • 雑音等の異常を感ずる様な現象も全く無く、ある日突然にAMP電源を入れたところ、両CHとも無音状態であった。
    勿論ボリウムを上げても無反応、HEAD-PHONE端子も無音。  SW等の可動部分や接続等点検するも異常を発見出来ず。  2〜3日後、POW-ONした所、正常動作したため1週間程度運転していたが,その後に再び故障発生して現在に至る。
    入力はCDやPHONEの何れにおいても同様の現象です。
    ボリウム零の状態にてAMP電源ONの数秒後にSP切替SWをON・OFFの操作をした時に「ボソ」と音がする。
       ・全体として、高音域の伸びが無く、低音に締まりと力強さが足らない状態でした。
       ・ガリオーム等、その他異常な所は無し。

B. 原因
  • 経年変化による各部劣化

C. 修理状況
  • SP接続リレー交換(容量1.5倍の同型新タイプ使用)。
    バランス、バイアス調整用 半固定VR交換。
    カップリング電解コンデンサー交換。
    配線手直し、補強。
    各基板、半田補正。
    電解コンデンサ−を全部(6個の大容量は除く)オーディオ用に交換(ミューズを使用)。
    終段TR(トランジスター)交換。
    ユーザー希望により、「MM/MC」切替SW=MCに固定する。
    SP接続端子補強
    RCA端子補強、 RCA端子補強2

D. 使用部品
  • SP接続リレー                     3個。
    バランス、バイアス調整用 半固定VR     12個。
    電解コンデンサ−                  62個。
    終段TR(トランジスター)              16個。

E. 調整・測定

F. 修理費  130,000円    オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sansui AU−α907 の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の点検
A1. 点検中 上蓋をとり上から見る
A2. 点検中 下蓋をとり清掃後下から見る
A3. 点検中 交換終段TR(トランジスター)比較  
                   左=今回使用する180W損失の物で最新の物(これ以後開発された物はなし)
                   中・右=使用されていた125W損失  全て東芝製品
A4. 点検中 電解コンデンサーを全部(A−1.の上の6個の大容量は除く)オーディオ用に交換
          下記のミューズ及びゴールドを個使用(大きさ、容量異なる)
A5. 点検中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                        右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
A6. 点検中 大型電解コンデンサー、液漏れなし
C.  修理状況
C1A. 修理前 EQ基板
C1B. 修理後 EQ基板 音が通る結合(カップリング)コンデンサーは、BPコンデンサーに交換したので2個→1個
            電解コンデンサー17個交換
C1A1. 修理中 EQ基板のRCA端子 網線を埋め込み補強する
C1A2. 修理後 EQ基板のRCA端子 さらにホットボンドを充填する
C1C. 修理前 EQ基板裏
C1D. 修理後(ハンダ補正) EQ基板裏  全ての半田をやり修す
C1E. 完成EQ基板裏 洗浄後
C1F. 修理前 Tape入出力RCA端子基板・メインAMP入力RCA端子基板
C1H. 修理前 Tape入出力RCA端子基板裏・メインAMP入力RCA端子基板裏
C1I. 修理(ハンダ補正)後 Tape入出力RCA端子基板裏・メインAMP入力RCA端子基板裏 全ての半田をやり修す 
C1J. 完成Tape入出力RCA端子基板裏・メインAMP入力RCA端子基板裏 洗浄後
C1K. 修理中 Tape入出力基板のRCA端子 網線を埋め込み補強する
C1L. 修理後 Tape入出力基板のRCA端子 さらにホットボンドを充填する
C2. 前面パネルを取り外して修理中
C22. パネル取り外す SWの止めネジが半分! 加重が少ないのは解るが?
C23. パネル取り外す SWの止めネジが半分! 加重が少ないのは解るが?
C24. パネル取り付け前 白いネジが増やした物
                   このケチった「ネジ」で会社は利益が増すが、その分信用は減る
C2A. 修理前 コントロール1T基板
C2B. 修理後 コントロール基板T 音が通る結合(カップリング)コンデンサーは、BPコンデンサーに交換したので2個→1個
            電解コンデンサー14個、半固定VR4個交換
C2C. 修理前 コントロール基板T裏
C2D. 修理(ハンダ補正)後 コントロール基板T裏  全ての半田をやり修す
C2E. 完成コントロール基板T裏 洗浄後
C3A. 修理前 コントロール基板U
C3B. 修理後 コントロール基板U 音が通る結合(カップリング)コンデンサーは、BPコンデンサーに交換したので2個→1個
           電解コンデンサー10個交換
C3C. 修理前 コントロール基板U裏
C3D. 修理(ハンダ補正)後 コントロール基板U裏
C3E. 完成コントロール基板U裏 洗浄後
C4A. 修理中 入力切り替えSW基板
C4B. 修理前 入力切り替えSW基板裏
C4C. 修理(ハンダ補正)後 入力切り替えSW基板裏  全ての半田をやり修す
C4D. 完成入力切り替えSW基板裏 洗浄後
C4E. 修理中 TAPE切り替えSW基板
C4F. 修理前 TAPE切り替えSW基板裏
C4G. 修理(ハンダ補正)後 TAPE切り替えSW基板裏  全ての半田をやり修す
C4H. 完成TAPE切り替えSW基板裏 洗浄後
C4I. 修理前 REC−OUT切り替えSW基板
C4J. 修理前 REC−OUT切り替えSW基板裏
C4K. 修理(ハンダ補正)後 REC−OUT切り替えSW基板裏  全ての半田をやり修す
                    左下の白い針金みたいの物は糸屑
C4L. 完成REC−OUT切り替えSW基板裏 洗浄後
C4M. 修理中 メインVR基板
C4N. 修理前 メインVR基板裏
C4O. 修理(ハンダ補正)後 メインVR基板裏  全ての半田をやり修す
C4P. 完成メインVR基板裏 洗浄後
C4Q. 修理中 電源SW&イヤーホーンジャック基板
C4R. 修理前 電源SW&イヤーホーンジャック基板裏
C4S. 修理(ハンダ補正)後 電源SW&イヤーホーンジャック基板裏
C4T. 完成電源SW&イヤーホーンジャック基板裏 洗浄後
C5. 後パネルを取り、SP接続リレー・プロテクト基板を修理中
C5A. 修理前 SP接続端子 肉薄なので割れやすい
           LV−109修理記録 C8A. 修理前 SP接続端子基板 参考
C5B. 修理後 SP接続端子 太い線を付けられるので、補強しておく。 網線を埋め込み補強する
C5B1. 修理後 SP接続端子 太い線を付けられるので、補強しておく。  さらにホットボンドを充填する
C5C. 修理前 SP接続リレー&プロテクト基板
C5D. 修理後 SP接続リレー&プロテクト基板 リレー2個、電解コンデンサ−11個、フイルムコンデンサー2個交換
C5E. 修理前 SP接続リレー&プロテクト基板裏
C5F. 修理(ハンダ補正)後 SP接続リレー&プロテクト基板裏  全ての半田をやり修す
C5G. 完成SP接続リレー&プロテクト基板裏 洗浄後
C5H. 修理中 平衡入力コネクター
C5I. 修理(ハンダ補正)後 平衡入力コネクター
C6A. 修理前 R側終段ブロック
C6B. 完成R側終段ブロック
C6B1. 修理(交換)後 R側終段TR(トランジスター)
C6C. 修理前 R側終段基板
C6C1. 修理前 R側終段基板 電解コンデンサーのブレ止めに使用した接着剤が抵抗やTR(トランジスター)の端子を腐食させている
C6C2. 修理前 R側終段基板 上の拡大
C6C3. 修理中 R側終段基板 清掃する
C6D. 修理後 R側終段基板 半固定VR4個、初段FET(電界効果トランジスター)、電解コンデンサ−16個交換
C6E. 修理中 R側終段基板裏
C6E1. 修理中 L側終段基板裏 ジャンパー線の曲げ方向が良くない、短絡の危険あり!
C6F. 修理(半田補正)後 R側終段基板裏  全ての半田をやり修す
C6G. 完成R側終段裏 洗浄後
C7A. 修理前 L側終段ブロック
C7B. 完成L側終段ブロック
C7B1. 修理(交換)後 R側終段TR(トランジスター)
C7C. 修理前 L側終段基板
C7D. 修理後 L側終段基板 半固定VR4個、初段FET(電界効果トランジスター)、電解コンデンサ−16個交換
C7E. 修理中 L側終段基板裏
C7E1. 修理中 L側終段基板裏 ジャンパー線の曲げ方向が良くない、短絡の危険あり!
C7F. 修理(半田補正)後 L側終段基板裏  全ての半田をやり修す
C7G. 完成L側終段裏 洗浄後
C8A. 修理前 電源基板
C8B. 修理後 電源基板 電解コンデンサ−4個交換
C8C. 修理前 電源基板裏
C8C1. 修理中 電源基板裏 半田不良ケ所
C8C2. 修理中 電源基板裏 すが入った、半田不良ケ所
C8C3. 修理中 電源基板裏 発熱が多い部品の足(リード線)の所は、半田の部分を広げる
C8D. 修理後(ハンダ補正) 電源基板裏  全ての半田をやり修す
C8E. 完成電源基板裏 洗浄後
C9A. 何時ものパネル清掃
C9B. 交換部品 終段FET(電界効果トランジスター)は除く
C10A. 修理前 上から
C10B. 修理後 上から
C10C. 修理前 下から
C10D. 修理後 下から
E. 測定・調整
E0. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SP出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定
E11. R側SP出力39V=190W 歪率=0.02% AUX入力 1000HZ
E12. L側SP出力39V=190W 歪率=0.02% AUX入力 1000HZ
E21. R側SP出力39V=190W 歪率=0.02% AUX入力 400HZ
E22. L側SP出力39V=190W 歪率=0.02% AUX入力 400HZ
E31. R側SP出力39V=190W 歪率=0.03% MC入力 1000HZ、「MM/MC」切替SW=MCに固定
E32. L側SP出力39V=190W 歪率=0.03% MC入力 1000HZ
E41. R側SP出力39V=190W 歪率=0.02% MC入力 400HZ
E42. L側SP出力39V=190W 歪率=0.03% MC入力 400HZ
E5.  24時間エージング
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. AU−α907 の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドアンプ  AU-α907
パワーアンプ部
実効出力(10Hz〜20kHz、両ch駆動) 190W+190W(6Ω)、 180W+180W(8Ω)
全高調波歪率(実効出力時) 0.003%以下(8Ω)
混変調歪率 0.003%以下(8Ω)
ダンピングファクター 100(6Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス(1kHz) Normal:1V/5kΩ、 Balance:1V/5kΩ
SN比(Aネットワーク) 120dB以上
TIM歪(SAWTOOTH) 測定限界以下
スルーレイト ±200V/μsec
ライズタイム 0.5μsec
イコライザー部
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono MM:2.5mV/47kΩ、 Phono MC:300μV/100Ω
CD、Tuner、Line、Processor:150mV/47kΩ
Tape play/DAT-1、2、3:150mV/47kΩ
Phono最大許容入力
(新IHF、THD 0.01%)
MM:210mV
MC:21mV
周波数特性(1W時) Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB
CD、Line、Tape play/DAT-1、2、3:1Hz〜300kHz +0 -3dB
SN比(1W時) Phono MM:88dB以上、 Phono MC:70dB以上
Tuner、Line、CD:110dB以上、 Tape play/DAT-1、2、3:110dB以上
トーンコントロール Bass:±5dB(50Hz)、 Treble:±5dB(15kHz)
ターンオーバー周波数 75Hz、150Hz、7kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
ラウドネス +8dB(50Hz)、+6dB(10kHz)
総合
定格消費電力(電気用品取締法) 370W
外形寸法 幅448x高さ160x奥行441mm
重量 28.0kg
価格 ¥198,000(1986年発売)
                      a907-32w
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