Maas Organ Model 50 修理記録
平成29年12月1日持込   月日完成
A. 修理前の状況
  • オーバホール修理依頼。

B. 原因
  • オーバホール修理。


O. 出力トランス点検
  • 現在オークションでは直流抵抗を測定して、良否を表示しているが、完璧ではありません。
    正確には、交流電圧を入力し、各巻き線の出力電圧を点検する。

P. 電源トランス点検

T. バラック修理後点検測定

C. 修理状況
  • 全真空管タイト製(テフロン製)ソケット交換。
    電解コンデンサー増量交換。
    フイルムコンデンサー交換。
    電源コードを取り3Pインレットに交換。
    突入電流抑止回路組込、ヒーターウオームUP時間を含む。
    出力トランス保護の為に6L6にヒューズ挿入
    SP接続端子取り付け。


D. 使用部品
  • 整流ダイオード           4個。
    フイルムコンデンサー       個 。
    タイト製USソケット         9個。
    電解コンデンサー          個。
    抵抗                  個。
    半固定VR              1個。
    3PインレットFURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ 1個。
    ヒューズ                4本。


U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定

E. 調整・測定

F. 修理費  100,000円     オーバーホール修理。
                       3台目からの、お馴染みさん価格。
                       但し、真空管は別途支給です。

S. Maas Organ Model 50 の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中 前から見る。 高級なWBTのRCA端子に交換されているが、固定方法が悪くRCAコネクターを回転させると本体が回ってしまう。
A122. 点検中 前パネルが浮いている。 WBT RCA端子の止めビスにペンキが付いている。
A13. 点検中 前右から見る。
A14. 点検中 後から見る。
A15. 点検中 後から見る。 SP接続端子が増設されている。赤端子が−側?
A16. 点検中 後左から見る。
A17. 点検中 後左から見る。 3Pインレットに交換可能。FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用。
A17. 点検中 上から見る。
A18. 点検中 上から見る。 増設したチュークトランス、の取付けビスが半分。
A17. 点検中  真空管を挿して、上から見る。
A21. 点検中 下前から見る。
A22. 点検中 下前左から見る。
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A26. 点検中 下から見る。 下足比較、放熱の為に高くしたい。
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る。
A32. 点検中 前回の修理で交換された電解コンデンサー、80μ/450V。
A33. 点検中  前回の修理で交換された整流電解コンデンサー。
A33. 点検中  前回の修理で交換された整流電解コンデンサーの半田付け。
A41. 点検中 整流管出口電解コンデンサー。 20μ/450WV。
A51. 点検中 整流管 入力VR端子の配線! VRの使い方を知らないのか?
O. 出力トランス点検。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
       1次インピーダンス=3.5kΩ(P1−B1間+B2−P2間)。
       2次インピーダンス=8Ω。
       インピーダンス比=3.5kΩ/8Ω=437.5、 巻き線比=20.9。
01. 2次8Ω端子にAC5V/1kHzを入力すると、
       1次巻線P1−B1間電圧=P2−B2間電圧=104.5V/2=52.29V。
       P1−B1間=50.84V、P2−B2間電圧=43.55V
P. 電源トランス点検。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
       可変周波数・電圧電源を使用する。
       真空管は全て付属。
       右マルチメーター=電源電圧=117.5、左マルチメーター=ヒーター電圧=6.19。
T. バラック修理後点検測定。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
T0. 出力・歪み率測定・調整。 117Vで測定。
    「見方」。
   中 SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T1. 1kHz入力、SP出力電圧13.19V=21.7W出力 1.207%歪み。発振器の出力が足らない
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T2. 10kHz入力、SP出力電圧13.18V=21.7W出力 1.313%歪み。発振器の出力が足らない
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
C. 修理状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理中。 逆さにするので、トランスを「プチプチ」で保護する。
C12. 修理中。 基板・ブロック電解コンデンサー取り外す。
C21. 修理前 R基板。 半田があちこちで危険状態
C48. 修理前 RCA端子
C49. 修理後 RCA端子
C51. 修理前 L基板。 スルホールや半田があちこちで危険状態
CE1. 修理前 電源コード取り付け
CE2. 修理後 電源コード取り付け
CE3. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。 差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い。
           上のK線=巻き付いた端側、 下の白線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
CE4. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い、反対側。
           上の白線=巻き付いた端側、 下のK線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
CE5. 完成 3Pプラグにケーブル取り付。 被覆部も十分に差し込む。
CE6. 完成 3Pプラグにケーブル取り付。 被覆部も十分に差し込む、反対側。
CE7. 完成 3Pプラグにケーブル取り付。 電線を十分に差し込む。電極側から見る。
CE8. 完成 3Pプラグにケーブル取り付。 電線を十分に差し込む。電極側から見る、反対側。
CE1. 前面パネル洗浄。
CF1. 修理前 真空管ソケット。
CF2. 修理後 真空管ソケット。
CG1. 交換部品
CG2. 交換部品。倍電圧整流に使用する電解コンデンサー比較。
             上=付いていた680uF/350WV、下=松下製の交換した2300uF/400WV 。
CH1. 修理前 上から見る
CH2. 修理後 上から見る
CH3. 修理前 下から見る
CH4. 修理後 下から見る
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
       6J5  相互コンダクタンス=2600μmho「Ep=250V、Eg1=−8V、Ip=9.0mA」
       6V6  相互コンダクタンス=4100μmho「Ep=Esg=250V、Eg1=−12.5V、Ip=45mA
       6L6  相互コンダクタンス=6000μmho「Ep=Esg=250V、Eg1=−14V、IP=72mA」
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966/実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
      5V4G Vacuum Tube Tester Hickok TV-2B/U の「5U4」検査方法による、破棄値=75。
U1.  付属真空管。左から6J5、2本目6J52本目。
U11. 付属1本目「6J5」。 Gm測定=2600μmho、Ip=9.0mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−8V」、 Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定。
U12. 付属2本目「6J5」。 Gm測定=2600μmho、Ip=9.0mA。
U2. 付属1本目「6V6」。 Gm測定=4100μmho、Ip=45.0mA。
      測定条件、「Ep=Esg=250V、Eg1=−12.5V」、 Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U31. 付属1本目「6L6」。 Gm測定=6000μmho、Ip=72.0mA。
      測定条件、「Ep=Esg=250V、Eg1=−14V」、Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U32. 付属2本目「6L6」。 Gm測定=6000μmho、Ip=72.0mA。
U33. 付属3本目「6L6」。 Gm測定=6000μmho、Ip=72.0mA。
      測定条件、「Ep=Esg=250V、Eg1=−14V」、Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U34. 付属4本目「6L6」。 Gm測定=6000μmho、Ip=72.0mA。
U41. 付属1本目「5V4G」ユニット1 エミション測定=95、Ip=3.04mA。
      Vacuum Tube Tester Hickok TV-2B/U の「5U4」検査方法による、破棄値=75。
U42. 付属1本目「5V4G」ユニット2 エミション測定=95、Ip=3.06mA。
U43. 付属2本目「5V4G」ユニット1 エミション測定=95、Ip=3.04mA。
      Vacuum Tube Tester Hickok TV-2B/U の「5U4」検査方法による、破棄値=75。
U44. 付属2本目「5V4G」ユニット2 エミション測定=95、Ip=3.06mA。
測定電源は安定化電源を使用し、AC115V 60Hzで行う。
プレート波形を観測しながら測定する。
E. 測定・調整。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整。 117Vで測定。
    「見方」。
   中 SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、SP出力電圧24V=72W出力 0.546%%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力 0.486%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力 0.308%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力 0.293%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力 0.419%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.649%歪み。
              L側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.657%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 20kHz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力 0.676%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. 50kHz入力、SP出力電圧28V=98W出力 3.92%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E4. 完成 24時間エージング。
S. Maas Organ Model 50 の仕様(カタログ・マニアルより)
型式 管球式モノラルパワーアンプ  Model 50
出力帯域幅(出力50W時) 30Hz〜30kHz+-2dB
出力インピーダンス 8,16,250Ω
歪み率 0.9%(40W/1kHZ)、1.8%(50W/1kHZ)
ダンピングファクター 2
使用真空管 6J5×2本、6L6×4本、5V4×2本、6V6GT
電源電圧 AC117V、50Hz/60Hz
消費電力
外形寸法 幅377×高さ220×奥行230mm
重量 11.5kg
価格 (1951年)
                      maasorgan_1s
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