Altec 256d(#108). 2台目修理記録
平成29年10月14日持込   月日完成
A. 修理前の状況
  • @AMPを接続すると家庭のブレーカーが飛ぶ。
  • A左AMPの真空管1本のメーターチェックができない。
  • Bトランスがうなる。

B. 原因
  • 各部経年劣化。


O. 出力トランス点検
  • 現在オークションでは直流抵抗を測定して、良否を表示しているが、完璧ではありません。
    正確には、交流電圧を入力し、各巻き線の出力電圧を点検する。

P. 電源トランス点検

T. バラック修理後点検測定

C. 修理状況
  • 全真空管タイト製(テフロン製)ソケット交換。
    電解コンデンサー増量交換。
    フイルムコンデンサー交換。
    基板・配線手直し、補強。
    電源コードを取り3Pインレットに交換。
    突入電流抑止回路組込、ヒーターウオームUP時間を含む。
    高圧回路にヒューズ挿入。
    出力トランス保護の為に807にフューズ挿入
    SP接続端子取り付け。
    RCA端子取り付け。

D. 使用部品
  • 整流ダイオード           3個。
    フイルムコンデンサー       6個 。
    タイト製UYソケット         2個。
    タイト製USソケット         10個。
    タイト製MTソケット         1個。
    電解コンデンサー          8個。
    抵抗                  個。
    半固定VR              1個。
    3Pインレット             1個。
    SP接続端子             1組。
    RCA端子               1個。


U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定
V. TubeTester HickokTV−2B/Uによる予備真空管測定

E. 調整・測定

F. 修理費  150,000円   オーバーホール修理。
                      3台目からの、お馴染みさん価格。
                      但し、真空管は別途支給です。

S. Altec 256d の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中 パネルを取り、前から見る。
A13. 点検中 メーターパネルを取り、前から見る。
A131. 点検中 シャシ内を見る。
            純正のカップリングオイル(?)コンデンサーからフイルムコンデンサーに交換。
A132. 点検中 シャシ内をる。
      バイアス電源の純正のマロイ電解コンデンサーからニチコンの電解コンデンサーに交換。
A133. 点検中 シャシ内をる。
           高圧回路のオイルコンデンサーにニチコン電解コンデンサーが並列挿入。
A134. 点検中 シャシ内をる。
         高圧純正のマロイ電解コンデンサーからニチコン電解コンデンサーに交換。
A21. 点検中 後から見る。
A22. 点検中 後から見る。 飾りのバイアス電源の純正のマロイ電解コンデンサー。
A23. 点検中  真空管を抜き、後から見る。
A24. 点検中 真空管を抜き、後から見る。
                        真空管ソケット比較。テフロン絶縁製やタイト製と交換可能。
A25. 点検中 真空管を抜き、後から見る。
                        真空管ソケット比較。テフロン絶縁製やタイト製と交換可能。
A31. 点検中 上右から見る
A32. 点検中 上から見る
A33. 点検中 上左から見る。
A41. 点検中 下右から見る。
A42. 点検中 右から見る。電源ケーブル。
A43. 点検中 下から見る
A432. 点検中 下から見る。 出力トランス頭のカバー止めビス、真ん中が初めの止めビス??
A44. 点検中 下左から見る
A45. 点検中 左から見る。 入出力コード。
A51. 点検中 6.3V出力端子に接続されていない。
A52. 点検中 入力ケーブルの固定ビスが無。
A61. 点検中 出力真空管 UY−807、予備球から。
A62. 点検中 中=初段増幅管6SJ7、 ドライバー真空管=6SN7、プロテクト動作真空管=6AL5。
A64. 点検中 修理後整流管 5R4、予備球から。
A65. 点検中 定電圧真空管0D3(VR150GT)。
O. 出力トランス点検。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
       1次インピーダンス=4kΩ(P1−B1間+B2−P2間)。
       2次インピーダンス=16Ω。
       インピーダンス比=4kΩ/16Ω=250、 巻き線比=15.8。
01. 2次16Ω端子にAC8V/1kHzを入力すると、
       1次巻線P1−B1間電圧=P2−B2間電圧=126.5V/2=63.2V。
       P1−B1間=63.4V、P2−B2間電圧=63.5V
02. 2次16Ω端子にAC5V/1kHzを入力すると、
       1次巻線P1−B1間電圧=P2−B2間電圧=79V/2=39.5V。
       P1−B1間=39.31V、P2−B2間電圧=39.56V
03. 2次16Ω端子にAC2V/1kHzを入力すると、
       1次巻線P1−B1間電圧=P2−B2間電圧=31.6V/2=15.8V。
       P1−B1間=16.31V、P2−B2間電圧=16.38V
P. 電源トランス点検。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
       可変周波数・電圧電源を使用して、無負荷損を計測する。
       真空管は全て抜いたので、トランスの負荷は無。
       左マルチメーター=電源電圧、右マルチメーター=ヒーター電圧。
P1. 60Hz/AC100を入力、入力電流=0.6A、無負荷損電力=60W。出力ヒーター電圧=6.19V。
P2. 60Hz/AC105を入力、入力電流=0.7A、無負荷損電力=73.5W。出力ヒーター電圧=6.49V。
P3. 55Hz/AC100を入力、入力電流=1.1A、無負荷損電力=110W。出力ヒーター電圧=6.18V。
P4. 50Hz/AC94.2を入力、入力電流=1.35A、無負荷損電力=126.4W。出力ヒーター電圧=5.83V。
P5. 出力トランス頭のカバー止めビス、真ん中が初めの止めビス?? 巻き替え等をした形跡?
T. バラック修理後点検測定。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
T0. 出力・歪み率測定・調整、 100Vで測定。
    「見方」。
   中 SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T1. 1kHz入力、SP出力電圧16.82V=35.36W出力 1.601%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T2. AC100v安定化電源で無信号時で3.2Aなので、320W消費する。
       この時真空管ヒーター電圧は6.00V。
       6.3Vの+−10%は「5.67〜6.93V」なので範囲内。
T3. UY−807、5R4GYを予備球に交換後。
     出力・歪み率測定・調整、 100Vで測定。
T4. UY−807、5R4GYを予備球に交換後。
    1kHz入力、SP出力電圧22.04V=60.72W出力 6.28%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T5. UY−807、5R4GYを予備球に交換後。
    AC100v安定化電源で無信号時で3.5Aなので、350W消費する。
       この時真空管ヒーター電圧は5.98V。
       6.3Vの+−10%は「5.67〜6.93V」なので範囲内。
C. 修理状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理中。 逆さにするので、トランスを「プチプチ」で保護する。
C12. 修理中。 基板・ブロック電解コンデンサー取り外す。
C21. 修理前 R基板。 半田があちこちで危険状態
C41. R側VRの解体修理中
C42. 修理(清掃)前 R側VRの抵抗体・摺動部 
C43. 修理(清掃)後 R側VRの抵抗体・摺動部
C46. 修理前 R側シールド線
C47. 修理後 R側シールド線
C48. 修理前 RCA端子
C49. 修理後 RCA端子
C91. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー。
C92. 修理後 電源ブロック電解コンデンサー。
CA1. 修理後 突入電流抑止回路組み込み、ヒーターウオームUP時間を含む。高圧回路にヒューズを新設。
CB0. 修理中 前パネルを倒し、修理中。
CD1. 修理前 ヒューズ回り配線
CD2. 修理中 ヒューズ回り配線。 半田に埋めた配線!
CD3. 修理後 ヒューズ回り配線。
CE1. 修理前 電源コード取り付け
CE2. 修理後 電源コード取り付け
CE3. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。 差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い。
           上のK線=巻き付いた端側、 下の白線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
CE4. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い、反対側。
           上の白線=巻き付いた端側、 下のK線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
CE1. 前面パネル洗浄。
CF1. 修理前 真空管ソケット。
CF2. 修理後 真空管ソケット。
CG1. 交換部品
CG2. 交換部品。倍電圧整流に使用する電解コンデンサー比較。
             上=付いていた680uF/350WV、下=松下製の交換した2300uF/400WV 。
CH1. 修理前 上から見る
CH2. 修理後 上から見る
CH3. 修理前 下から見る
CH4. 修理後 下から見る
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
    付属前段真空管。
       12AX7  相互コンダクタンス=1600μmho「Ep=250V、Eg1=−2V、Ip=1.2mA」
       12AT7 相互コンダクタンス=6000μmho「Ep=250V、Eg1=−12V、Ip=10mA
       12BH7  相互コンダクタンス=3100μmho「Ep=250V、Eg1=−10.5V、IP=11.5mA」
        6RA3  相互コンダクタンス=12500μmho「Ep=100V、Eg1=−20V、Ip=100mA」
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966/実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U1.  付属真空管。左からECC83(12AX7)、12AT7、12BH7、2本目ECC83(12AX7)、
                    6RA3、2本目12BH7、2本目12AT7、3本目ECC83(12AX7)。
U11. 付属1本目「12AX7」ユニット1。 Gm測定=2000μmho、Ip=1.91mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−2V」、 Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定。
U41. 付属1本目「12AT7」ユニット1。 Gm測定=4200μmho、Ip=8.96mA。
      測定条件、「Ep=250V、Rk=200Ω」、 Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U51. 付属1本目「12BH7」ユニット1。 Gm測定=2600μmho、Ip=12.73mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−10.5V」、Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U6.  付属真「6RA3」。 Gm測定=16000μmho、Ip=128.5mA。
      測定条件、「Ep=100V、Eg1=−20V」、 Bレンジ=30000μmhoレンジでの測定。
U7.  付属真空管「6GB8」左から 1本目、2本目、3本目、4本目。
     真空管ハンドブック(規格表)の相互コンダクタンス=20000μmho
     「Ep=250V、Esg=250V、Ip=140mA、Eg1=−8V」
1966実用真空管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U71. 付属1本目「6GB8」。 Gm測定=20000μmho、Ip=101.9*mA。
      測定条件、「Ep=250V、Esg=250V、Eg1=−8V」。 Aレンジ=30000μmhoレンジでの測定。
V. TubeTester HickokTV−2B/Uによる予備真空管測定。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
V1.  予備真空管「6GB8灰色プレート」左から 1本目、2本目、3本目、4本目。
     真空管ハンドブック(規格表)の相互コンダクタンス=20000μmho
     「Ep=250V、Esg=250V、Ip=140mA、Eg1=−8V」
1966実用真空管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
V11. 予備1本目「6GB8」。 Gm測定=20600μmho、Ip=105.6mA。
      測定条件、「Ep=250V、Esg=250V、Eg1=−8V」。 Aレンジ=30000μmhoレンジでの測定。
V2.  予備真空管「6GB8K色プレート」左から 1本目、2本目、3本目、4本目、5本目。
     真空管ハンドブック(規格表)の相互コンダクタンス=20000μmho
     「Ep=250V、Esg=250V、Ip=140mA、Eg1=−8V」
1966実用真空管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
V21. 予備1本目「6GB8」。 Gm測定=25000μmho、Ip=135.6mA。
      測定条件、「Ep=250V、Esg=250V、Eg1=−8V」。 Aレンジ=30000μmhoレンジでの測定。
測定電源は安定化電源を使用し、AC115V 60Hzで行う。
プレート波形を観測しながら測定する。
E. 測定・調整。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整、 100Vで測定。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧24V=72W出力 0.546%%歪み。
              L側SP出力電圧24V=72W出力 0.538%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.495%歪み。
               L側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.486%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.305%歪み。
               L側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.308%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.290%歪み。
              L側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.293%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.414%歪み。
             L側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.419%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.649%歪み。
              L側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.657%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 20kHz入力、R側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.662%歪み。
              L側SP出力電圧30V=112.5W出力 0.676%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E4. 完成 24時間エージング。 右はSony ST−5000F. 5台目
S. Altec 256d の仕様(マニアルより)
型式 管球式モノラルパワーアンプ 256d
定格出力 65W
出力帯域幅(両ch駆動) Hz〜kHz
出力インピーダンス 4,8,16Ω
OUTPUT TRANS TM225
INPUT TRANS G322Q
チョークインプット。 TL521
使用真空管 807×4本、6SN7、6SJ7、5R4G×2本、VR150×4本
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 W
外形寸法 幅482×高さ360×奥行245mm
重量 32kg
価格 (1950年頃)
                      256d-215
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