MusicalFidelity A−1. 19台目修理記録
2019/9/9到着  9/26完成
A. 修理前の状況
  • A1のオーバーホールのご相談をしたく、連絡いたします。
    現状、音はでますが下記のような状態です。
    • セレクター不良(片ch.のみ音がでる箇所、歪む箇所など混在)。
    • ボリュームやや不良(ガリあり)。
    • 足プラスティックが加水分解。
  • 10年前に中古で購入しました。
    購入前から現在にいたるまで特に修理・オーバーホールは実施していません。
    おそらく多くの部品が寿命を迎えているものと思われます。
    愛着もあり、また代替機も見つからず、 まだしばらくは使いたいと思いご相談する次第です。
    また、可能であればSP端子をUpgradeしたく考えております。



T. 終段TR(トランジスター)測定

B. 原因
  • 左右で終段TR(トランジスター)が異なる。
    1部電解コンデンサー容量抜け。
    各部経年劣化。
    プッシュSW2個接触不良。


C. 修理状況

D. 使用部品
  • 電解コンデンサー(オーディオコンデンサー使用)31個。
    フイルムコンデンサー              4個。
    タイト製のユニバーサル・カップリング      1個。
    テフロン絶縁RCA端子           6組12個。
    SP接続端子               2組4個。
    フューズ付き3Pインレットソケット      1個。
    2連VR                    1個。
    終段TR(トランジスター) 2組4個(2組20個購入し、選別使用)。
    プッシュSW                 2個。
    終段エミッター抵抗      4本(選別して使用)

E. 調整・測定

F. 修理費  125,000円   「オーバーホール修理」

Y. ユーザー宅の設置状況

S. MusicalFidelity A−1. の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中 前右から見る。
A13. 点検中 後から見る。
A14. 点検中 後左から見る。
A15. 点検中 上から見る。
A16. 点検中 上蓋(放熱器)を取り、上から見る。 埃が沢山...釣った魚にも餌をやりましょう。
A162. 点検中 上蓋(放熱器)を取り、上から見る。 トランス回りの埃。
A162. 点検中 上蓋(放熱器)を取り、上から見る。 EQ−AMP回りの埃。
A17. 点検中 上蓋(放熱器)を取り、清掃後。 上から見る。
A18. 点検中、 上蓋裏の放熱シリコングリスと埃。 
A19. 点検中、 両側側面パネル裏埃。
A21. 点検中 下から見る。
A212. 点検中 下から見る。下足取り付け可能。
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下前左から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A31. 点検中、 右側終段TR(トランジスター)。
A32. 点検中、 左側終段TR(トランジスター)。 左右で異なる。
A33. 点検中、 入力切り替えSWがかなり揺れる
            カップリングも安い物で、「ユニバーサル型」でないので、この「ブレ」を吸収しない
A41. 点検中 SP接続端子
A42. 点検中  SP接続端子。 小型ロジウムメッキ端子に交換、穴は横向き。
A51. 点検中 電源コード。
A52. 点検中 電源コードをヒューズ付き3Pインレットに交換。
A61. 点検中 入出RCA端子郡
A62. 点検中 入出RCA端子郡、 テフロン絶縁のRCA端子と交換。
A63. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A64. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A65. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A71. 点検中 メインVR。下日本製ALPSに交換。
A81. 終段TR(トランジスター)のエミッター抵抗(低歪タイプ)は測定して選別使用。福島双羽電機(株)製。
                   483を4本選択する。
C.修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C10. 修理中 基板等を取り外したシャーシ。 後パネル加工があるので、トランスや電源SWも外す。
C11. 修理前 基板
C112. 修理中 R側終段TR(トランジスター)
C114. 修理(交換)後 R側終段TR(トランジスター)。エミッター抵抗(低歪タイプ)交換福島双羽電機(株)製。
                  直接半田をラグ板使用に変更、取り付け絶縁ブシュ+シリコン絶縁シートを交換する。 
C114. 修理中 L側終段TR(トランジスター)
C115. 修理(交換)後 L側終段TR(トランジスター)。エミッター抵抗(低歪タイプ)交換福島双羽電機(株)製。
                  直接半田をラグ板使用に変更、取り付け絶縁ブシュ+シリコン絶縁シートを交換する。
C12. 修理後 基板 電解コンデンサー31個交換、フイルムコンデンサー9個追加。
C13. 修理前 基板裏
C14. 修理(半田補正)後 基板裏、 半田を全部やり直す。
C15. 完成基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C21. 修理前 AMP基板
C22. 修理後 AMP基板。
C23. 修理前 AMP基板裏
C24. 修理(半田補正)後 AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C25. 完成AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C31. 修理前 R側AMP基板
C32. 修理後 R側AMP基板
C33. 修理前 R側AMP基板裏
C34. 修理(半田補正)後 R側AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C35. 完成R側AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C41. 修理前 L側AMP基板
C42. 修理後 L側AMP基板。 テープモニターSW交換。
C43. 修理前 L側AMP基板裏
C44. 修理(半田補正)後 L側AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C45. 完成L側AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C51. 修理前  EQ基板
C52. 修理後  EQ基板
C53. 修理前  EQ基板裏
C54. 修理(半田補正)後  EQ基板裏、 半田を全部やり直す。
C55. 完成 EQ基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C61. 修理前  MC基板
C62. 修理後  MC基板。 MC/MM切り替えSW交換。
C63. 修理前  MC基板裏
C64. 修理(半田補正)後  MC基板裏、 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー1個追加。
C65. 完成MC基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C71. 修理前 電源基板
C72. 修理後 電源基板。 電解コンデンサー4個交換、フイルムコンデンサー4個追加。
C73. 修理前 電源基板裏
C74. 修理(半田補正)後 電源基板裏、 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー4個追加。
C75. 完成電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C81. 修理前 −側電源基板
C82. 修理後 −側電源基板。 電解コンデンサーは10000μから15000μへ増量交換。
C83. 修理前 −側電源基板裏
C84. 修理(半田補正)後 −側電源基板裏、 半田を全部やり直す。
C85. 完成 −側電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C91. 修理前 +側電源基板
C92. 修理後 +側電源基板。 電解コンデンサーは10000μから15000μへ増量交換。
C93. 修理前 +側電源基板裏
C94. 修理(半田補正)後 +側電源基板裏、 半田を全部やり直す。
C95. 完成 +側電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
CA1. 修理前 SWのカップリング、「ユニバーサル型」でないので、「ブレ」を吸収しない
CA2. 修理後、タイト製のユニバーサル・カップリングを使用。 
CA3. 修理(清掃)中 入力切換SW。 カシメ構造なので清掃のみ。
CB1. 修理前 入出力RCA端子
CB2. 修理(交換)後 入出力RCA端子、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
CB3. 修理前 入出力RCA端子裏。 RCA端子ブロックにヒビが有る。
CB4. 修理(交換)後 入出力RCA端子裏、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
C1. 修理前 SP接続端子、電源コード
CC2. 修理中 3Pインレット取り付け穴加工中。
CC3. 修理中 3Pインレット取り付け穴加工中。ハンドツールなので加工は大変。
CC4. 修理後 SP接続端子交換、端子の穴は横向き。 電源コードをインレットソケットに交換(仮付け)。
CC5. 修理後 SP接続端子交換、端子の穴は横向き。
CC6. 修理前 SP接続端子裏、電源コード裏。
CC7. 修理後 SP接続端子裏、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
          インレットソケット裏、アースもしっかり取付。
CD1. 修理後 電源トランス下絶縁ゴムが小さいので、厚紙を重ねる
CD2. 修理後 電源トランス下絶縁ゴムが小さいので、厚紙を重ねる。
CD3. 修理中 電源トランスの電源入力線。 前の修理屋が直した。
CD4. 修理中 電源トランスの電源入力線。 接着材で固めた?
CD5. 修理中 電源トランスの電源入力線。 引き出し線を熱収縮チューブで保護する。
CD6. 修理中 電源トランスの電源入力線。 更に全体を熱収縮チューブで保護し、ホットボンドで固定する。
CE1. 修理前 下足。
CE2. 修理後 下足。少し大きめを貼り付ける。
CE3. 修理後 下足。少し大きめを貼り付ける。
CF1. 交換部品
CG1. 修理前 上から見る
CG2. 修理後 上から見る
T1. 修理中 L側2SC終段TR(トランジスター)測定、hfe=41
T2. 修理中 L側2SA終段TR(トランジスター)測定、hfe=153
T3. 修理中 R側2SC終段TR(トランジスター)測定、hfe=67 
T4. 修理中 R側2SA終段TR(トランジスター)測定、hfe=125
T5. 修理中 購入終段TR(トランジスター)測定。
                  2SC側hfe=75,75選択。 2SA側hfe=76,77選択。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. CD,50Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.208%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.196%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. CD,100Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.2062%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.197%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. CD,500Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1905%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.194%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. CD,1kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1918%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.195%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. CD,5kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1899%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.195%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. CD,10kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1964%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.2034%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. CD,20kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1982%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.2112%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM,50Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.356%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.341%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM,100Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.356%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.349%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM,500Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.325%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.340%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM,1kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.330%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.338%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM,5kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.306%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.310%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. MM,10kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.303%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.318%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM,20kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.302%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.331%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成 引き続き24時間エージング。 右は Technics SE−A3. 2台目
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況.
Y2. 設置状況。 MusicalFidelity A−1.の空冷フアン。
S. MusicalFidelity A−1. の仕様(マニアル・カタログより)
型式 プリメインアンプ Musical Fidelity A1
定格出力 20W+20W(8Ω)
入力感度/インピーダンス Phono MC= 0.2mV/120Ω
Phono MM= 2mV/47kΩ
CD、Tuner、Aux、Tape= 200mV/47kΩ
RIAA偏差 30Hz〜40kHz ±0.5dB
SN比 Phono MC= 55dB以上
Phono MM= 60dB以上
CD、Tuner、Aux、Tape= 80dB以上
高調波歪率 0.5%未満(8Ω、定格出力時)
消費電力 85W(連続)
外形寸法 幅408×高さ60×奥行249mm
重量 5.5kg
価格 1984年発売、\138,000。 ¥128,000(1990年頃)
               mfa1-j3d
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