Musical Fidelity A1.20 Special Limited.3台目修理記録
2020/6/7到着  8/5完成 
このAMPはSP接続リレーが装備されておりません。
電源入/切り時にSPに直流が流れます、ネットワークを装備していないSPを接続する時は、十分注意してください
A. 修理前の状況
  • 2007年3台目Technics SP-10 MKIIのオーバホール修理をした者です。
    いまも全く問題なく使えています。
     今回は、Musical Fidelity社製プリメインアンプ A-1.20 Special Limitedのオーバホール修理をして頂くことを希望しています。
    基本的には問題なく十数年間、ほぼ毎日使って来たのですが、数年前から時々左右どちらかのチャネルの音が出なくなったりすることが起きるようになりました。
    プチッという音がしたりしましたが、しばらくすると元に戻ってくれていたのですが、ひと月ほど前になかなか元に戻らなくなったので、側板を外して中を見ようとしたのですが、天板をヒートシンクとするためのシリコン剤で固められているのが見えたため、何もせずに側板を元に戻しました。
    しかし、少し影響があったらしく、それ以来はなぜか左チャネルしか音が出ない状態に安定してしまいました。
    左チャネルの音自体はおかしくはないようですが、むろん音楽鑑賞にはならず、どうも困っております。


B. 原因
  • 各部経年劣化多数。

C. 修理状況

D. 使用部品。
  • 抵抗               2個。
    電解コンデンサー      45個。
    リレー新設           1個。
    ブロック電解コンデンサー  6個。
    テフロン絶縁RCA端子  2組4個。
    OP−AMP           2個。
    終段TR(トランジスター)   8個。


E. 調整・測定

F. 修理費   130,000円   オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Musical Fidelity A1.20 Special Limited の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の点検。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A1. 全体点検中 上から見る。
A2. 全体点検中 清掃後上から見る。
A3. 全体点検中 前から見る。
A11. 電源部点検中、前から見る
A12. 電源部点検中、前右から見る
A13. 電源部点検中、後から見る
A14. 電源部点検中、後右から見る
A15. 電源部点検中、下前から見る
A16. 電源部点検中、下前左から見る
A17. 電源部点検中、下後から見る
A18. 電源部点検中、下後右から見る
A19. 電源部点検中、上から見る
A1A. 電源部点検中、下から見る
A21. 電源部点検中、ケースを取り、上から見る
A22. 電源部点検中、ケースを取り、右上から見る
A23. 電源部点検中、ケースを取り、左上から見る
A24. 電源部点検中、トロイダルトランスの止め円盤がずれている!
A25. 電源部点検中、 接続コネクター。
A26. 電源部点検中 100Voltsの表示有り?
A31. 本体点検中 前から見る
A32. 本体点検中 前右上から見る
A33. 本体点検中 後から見る
A34. 本体点検中 後左上から見る
A35. 本体点検中 下前から見る
A36. 本体点検中 下前左から見る
A37. 本体点検中 下後から見る
A38. 本体点検中 下後右から見る
A39. 本体点検中 上から見る
A3A. 本体点検中 下から見る
A3B. 本体点検中 下から見る。前パネル固定ビスが閉まらないので、タップ立て。
A41. 本体点検中 ケースを取り上から見る。
A42. 本体点検中 SP接続端子裏配線。 真ん中の電解コンデンサーがおかしな所に移動してある。
A43. 本体点検中 電源ブロック電解トランジスターの頭のビニール剥けは無。
A44. 本体点検中 電源ブロック電解トランジスター2の頭のビニール剥け。
A45. 点検中 交換する電解コンデンサー比較。
 左側=付いている台湾TeapoElectronicCorporation製10000μ/35WV、右側=交換するnichicon製15000μ/35WV。
A51. 本体点検中 入出力RCA端子郡
A52. 本体点検中 入出力RCA端子郡。 テフロン絶縁製に交換可能。
A53. 本体点検中 入出力RCA端子郡裏。
A54. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A55. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A56. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A61. 本体点検中. SP接続端子。
A62. 本体点検中. SP接続端子。 WBT−0730PLダブルポールターミナルに交換可能。
A71. 本体点検中 放熱器のシリコングリス、乾きが無い!
A81. 点検中 終段TR(トランジスター)は測定し、選別して使用する。
A82. 点検中 交換する終段TR(トランジスター)測定中。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 電源部上から見る。
C12. 修理・改造後 電源部上から見る
C13. 修理前 電源部、右上から見る
C14. 修理・改造後 電源部、右上から見る
C15. 修理前 電源部、左上から見る
C16. 修理・改造後 電源部、左上から見る
C21. 修理中 電源部のトロイダルトランスの上下絶縁シート、小さすぎないか?
C22. 修理後 電源部のトロイダルトランスの上下絶縁シートに白い絶縁シートを足す。
C23. 修理中 電源部のメインAMP用トロイダルトランスの上下絶縁シート。
C24. 修理後 電源部のメインAMP用トロイダルトランスの上下絶縁シートに白い絶縁シートを足す。
C25. 修理中 電源部のプリAMP用トロイダルトランスの上下絶縁シート。
C26. 修理後 電源部のプリAMP用トロイダルトランスの上下絶縁シートに白い絶縁シートを足す。
C31. 修理前 基板
C32. 修理後 基板
C33. 修理前 基板裏
C34. 修理(半田補正)後 基板裏、 半田を全部やり直す。
C36. 完成基板裏 洗浄後コーテング材を塗る。
C41. 修理前 整流基板
C42. 修理後 整流基板 電解コンデンサー8個、整流ブリッジ交換。 整流ブリッジに放熱器を付ける。
C43. 修理前 整流基板裏。
C44. 修理(半田補正)後 整流基板裏。 半田を全部やり直す。セラミックコンデンサー6個追加。
C46. 完成整流基板裏。 洗浄後コーテング材を塗る。
C51. 修理前 プリ電源基板
C52. 修理後 プリ電源基板 電解コンデンサー8個、抵抗2個交換。
C53. 修理前 プリ電源基板裏 回路が変更されている、しかも+−で電圧が異なる!
C54. 修理(半田補正)後 プリ電源基板裏、 半田を全部やり直す。
C55. 完成プリ電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る。
C61. 修理前 アンプ部基板
C62. 修理後 アンプ部基板 電解コンデンサー18個、OP−AMP1個交換。
C63. 修理前  アンプ部基板裏
C64. 修理(半田補正)後 アンプ部基板裏、 半田を全部やり直す。
C65. 完成アンプ部基板裏 洗浄後コーテング材を塗る。
C66. 修理(清掃)後 メインVR取出・清掃。
C71. 修理前 EQ−AMP部基板
C72. 修理後 EQ−AMP部基板。  電解コンデンサー13個、OP−AMP1個交換
C73. 修理前 EQ−AMP部基板裏
C74. 修理(半田補正)後 EQ−AMP部基板裏、 半田を全部やり直す。
C75. 完成EQ−AMP部基板裏、 洗浄後コーテング材を塗る。
C81. 修理前 RCA端子。
C83. 修理後 RCA端子。 テフロン絶縁RCA端2組4個交換
C84. 修理後 入出力RCA端子郡裏
C85. 修理後 入出力RCA端子郡裏
C91. 入力切替SWを取出し洗浄、給油。
CA. 修理後 突入電流抑制回路組み込む。
CB1. 修理前 SP接続端子裏配線。半田コテが当たった跡がある。
CB2. 修理後 SP接続端子裏配線。 収縮チューブを被せる。
CC1. 修理前 終段TR(トランジスター)
CC2. 修理中 終段TR(トランジスター)固定ビスと絶縁ワッシャ。 左=付いていた絶縁ワッシャ、右=交換する絶縁ワッシャ。
CC3. 修理(交換)後 終段TR(トランジスター)。 玉子型ラグ板を利用して配線。
CD1. 交換部品
CE1. 修理前 上から見る
CE2. 修理後 上から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整。 電源はAC100Vで測定。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
   よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. CD,50Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.0511%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W、 0.0591%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. CD,100Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.0490%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W、 0.0677%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. CD,500Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.0309%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W、 0.0300%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. CD,1kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.0201%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W、 0.0196%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. CD,5kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.0291%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W、 0.0221%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. CD,10kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.0415%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W、 0.0471%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. CD,50kHz入力、R側SP出力電圧18V=40W、 0.1749%歪み。
                 L側SP出力電圧18V=40W、 0.1166%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM,50Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.271%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W、 0.256%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM,100Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.168%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W、 0.159%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM,500Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.278%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W、 0.235%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM,1kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.217%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W、 0.241%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM,5kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.1201%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W、 0.1366%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. MM,10kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W、 0.1173%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W、 0.1155%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM,50kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.1844%歪み。
                   L側SP出力電圧17V=36W、 0.1615%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成 24時間エージング。 右は YAMAHAB−1. 16台目
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
S. Musical Fidelity A1.20 Special Limited の仕様(マニアル・カタログより)
型式 Musical Fidelity A1.20 Special Limited A1発売10周年記念モデル、世界限定250台
定格出力 50W+50W(8Ω)
入力感度/インピーダンス Phono MC=
Phono MM=
CD、Tuner、Aux、Tape= 200mV/47kΩ
RIAA偏差 30Hz〜40kHz ±0.5dB
SN比 Phono MC= dB以上
Phono MM= dB以上
CD、Tuner、Aux、Tape= dB以上
高調波歪率 未満(8Ω、定格出力時)
消費電力 140W(定格)/100V
外形寸法 本体=W440×H85×D330mm 電源部=W150×H85×D330mm
重量 本体=7kg 電源部=5.2kg
価格 定価 250,000円 1984年発売
                     a120sl-32z
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