Acoustic Research AMP. 3台目修理記録
平成25年10月到着    平成26年5月18日完成
注意
  • このAMPは電源SW_OFF時にもドリフトを防ぐ為、ドライブAMPに通電しています。
    節電の為にいきなり通電しないで下さい。
    使用する5分前には、電源コンセントを差し込んで置いて下さい。
    長期間使用しない場合は、待機電力 節約の為、電源コードを抜いて下さい。
A. 修理前の状況
  • 最近Acoustic Research社のAR Ampを入手しました。
    音色が大変気にいって、AR-4xという同社のスピーカとも相性がよく長く使用してみたくなりましたが、
    スピーカから音量に関係なくボソボソと小さな音が出ていて、福岡の某業者に相談し修理に出しました。
     修理後帰ってきて、音が力強くなった気はしますが肝心の症状は何も改善されておりません。
  • 修理は、部品を数個交換した様子です。
     交換部品は小さなコンデンサ?個。
     トランジスタ?が8個
    修理費は8万円近くかかっています。
  • クレームで再度送って診てもらいましたが再現しない、
    問題ないとのことで、念のためハンダを裏打ちしたということで 戻ってきました。
    最初の修理段階で症状が出ていたのか?という当方の問いに対して、
    古いアンプで本来の性能が出ていないからそれどころでは・・・ とか、はっきりしたことを言ってもらえませんでした。
    測定機でも何の問題もない、と一点張りでした。
  • 当方の環境では、入力セレクタに関係なく、
    またアンプからピンコードを抜いてもスピーカから相変わらずボソボソ、ブツブツ と音が出ています。


B. 原因
  • 修理不十分!
    初段TR(トランジスター)経年劣化。
    「ボソボソ、ブツブツ」の原因は初段〜中断のTR(トランジスター)劣化が原因。

C. 修理状況

G. 上ケース塗装 

. 使用部品
  • 電解コンデンサー                        12個 。
    フイルムコンデンサー                      12個。
    半固定VR                              1個。
    TR(トランジスター)                      16個。
    ダイオード                            3個。
    リレー                               1個。
    抵抗                               1個。
    SP接続端子                           1組。

E. 調整・測定

F. 修理費     105,000円  オーバーホール修理。

S. AR(Acoustic Research) AMP の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A132. 点検中 後から見る、 電源コードが交換されています。
A133. 点検中 後から見る、 ビスが「ホットボンド」で固定されている。
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上蓋・シールドを取り、 上から見る
A21. 点検中 下から見る
A22. 点検中 下前から見る
A222. 点検中 下前から見る、 左下角の前パネルが曲がっている
A223. 点検中 下前から見る、 右下角の前パネルが曲がっている
A23. 点検中 下前左から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A27. 点検中 ドライブTR(トランジスター)
A31. 点検中 SP接続端子周り。
A41. 点検中 入出力RCA端子周り
A51. 点検中 BASS VRの外側軸が固定されていない!
A51. 点検中 修理で交換された部品
A61. 点検中 SP接続端子、 左=絶縁型、 右=WBT−0730PLWBT 0681Cuが使用可。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C10. 修理中 前パネルを倒す
C11. 修理前 電源トランス付近
C12. 修理後 電源トランス付近
C13. 修理前 整流、定電圧付近
C132. 修理中 整流、定電圧付近。電解コンデンサーへの配線が手抜き!
C14. 修理後 整流、定電圧付近。 TR(トランジスター)、ダイオード交換、 フイルムコンデンサー2個追加。
C15. 修理前 ドライブトランス付近
C152. 修理前 ドライブ段の出力パスコン。 2200μ電解コンデンサー + 0.1μセラミックコンデンサー
C153. 修理後 ドライブ段の出力パスコン。 2200μ電解コンデンサー + 2.2μフイルムコンデンサー
C16. 修理後 ドライブトランス付近
C17. 修理前 ドライブ+EQ付近、 ドライブのTR(トランジスター)は交換されている。
C18. 修理後 ドライブ+EQ付近
C21. 修理前 ドライブ基板
C212. 修理中 ドライブ基板、 パスコンの電解コンデンサーは足長??
C22. 修理後 ドライブ基板、 フイルムコンデンサー4個、電解コンデンサー2個、TR(トランジスター)4個交換
C23. 修理前 ドライブ基板裏
C24. 修理(半田補正)後 ドライブ基板裏、 半田を全部やり直す。フイルムコンデンサー1個追加。
C25. 完成ドライブ基板裏、 洗浄後に防湿材を塗る。
C31. 修理前 トーン基板
C32. 修理後 トーン基板、 フイルムコンデンサー4個、電解コンデンサー2個、半固定VR1個、TR(トランジスター)7個交換
C33. 修理前 トーン基板裏
C34. 修理(半田補正)後 トーン基板裏、 半田を全部やり直す。
C35. 完成トーン基板裏、 洗浄後に防湿材を塗る。
C41. 修理前 EQ基板
C42. 修理後 EQ基板、 電解コンデンサー7個、TR(トランジスター)4個交換
C43. 修理前 EQ基板裏
C432. 修理前 EQ基板裏、 半田不良ケ所。
C44. 修理(半田補正)後 EQ基板裏、 半田を全部やり直す。。フイルムコンデンサー1個追加。
C45. 完成EQ基板裏、 洗浄後に防湿材を塗る。
C46. 修理前 EQ基板から 入力RCA端子へ抵抗配線(接続)ケ所。
C47. 修理中 EQ基板から 入力RCA端子へ抵抗配線(接続)ケ所。 抵抗を外す時、巻き付配線を取らず切断!
C48. 修理中 EQ基板から 入力RCA端子へ抵抗配線(接続)ケ所。 巻き付配線を引き出し。
C49. 修理中 EQ基板から 入力RCA端子へ抵抗配線(接続)ケ所。 巻き付配線を取る。
C51. 修理前 メインVR+電源SW、 接点復活材が染み込でいる、 SWにはAC100Vが通電している。
C52. 修理後 メインVR+電源SW、 電源投入リレーを増設、 SWにはDC12Vが通電している。
C61. 修理前 ドライブTR(トランジスター)
C62. 修理中 ドライブTR(トランジスター)
C53. 修理後 ドライブTR(トランジスター)、シリコンを塗布して組み付ける。
C61. 修理前 終段TR(トランジスター)
C62. 修理中 終段TR(トランジスター)
C63. 修理後 終段TR(トランジスター)、シリコンを塗布して組み付ける。
C81. 修理(交換)前 SP接続端子
C82. 修理(交換)後 SP接続端子。
C91. 修理中 裏パネルエスカッションプレート接着。
C92. 修理中 裏パネルエスカッションプレート接着。
C93. 修理前 上カバー止めネジ穴 ホットボンドで止めて有る。
C94. 修理中 上カバー止めネジ穴 タップを立てる。
CA. 交換した部品
CB1. 修理前 上から見る
CB2. 修理後 上から見る
G. 上ケース塗装。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
G11. 修理(塗装)前 上ケース
G12. 修理(塗装)後 上ケース
G21. 修理(塗装)前 前右ケース
G22. 修理(塗装)後 前右ケース
G31. 修理(塗装)前 後左ケース
G32. 修理(塗装)後 後左ケース
G41. 修理(塗装)前 前パネル
G42. 修理(塗装)後 前パネル。 これで文字が消えにくく成る。
P51. 修理(乾燥)中 炎天下にさらし、焼き付ける。 左側AR AMP 4台目
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整。 ユーザの使用環境が電源AC100Vなので100V電源で測定。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. Tuner,50Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.069%歪み。
                   L側SP出力電圧17V=36W、 0.061%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. Tuner,100Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.044%歪み。
                    L側SP出力電圧17V=36W、 0.046%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. Tuner,500Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.037%歪み。
                    L側SP出力電圧17V=36W、 0.037%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. Tuner,1kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.035%歪み。
                   L側SP出力電圧17V=36W、 0.041%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. Tuner,5kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.10%歪み。
                   L側SP出力電圧17V=36W、 0.109%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. Tuner,10kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.11%歪み。
                    L側SP出力電圧17V=36W、 0.14%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. Tuner,50kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.21%歪み。
                    L側SP出力電圧15V=28W、 0.24%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. MM,50Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.129%歪み。
                  L側SP出力電圧17V=36W、 0.126%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM,100Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.049%歪み。
                   L側SP出力電圧17V=36W、 0.048%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM,500Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.041%歪み。
                   L側SP出力電圧17V=36W、 0.047%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM,1kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.046%歪み。
                 L側SP出力電圧17V=36W、 0.047%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM,5kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.179%歪み。
                 L側SP出力電圧17V=36W、 0.181%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MM,10kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W、 0.168%歪み。
                   L側SP出力電圧17V=36W、 0.169%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM,50kHz入力、R側SP出力電圧8.5V=9W、 0.21%歪み。
                   L側SP出力電圧8.5V=9W、 0.21%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E4. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
S. AR(Acoustic Research) AMP の仕様(マニアルより)
型式 プリメインアンプ
出力(r.m.s、チャンネル当り) 4Ω=60W、 8Ω=50W、 16Ω=30W
周波数特性 20Hz〜20kHz ±1dB(定格最大出力時)
高調波歪率 0.5%以下(20Hz〜20kHz)
IM歪率(定格出力時) 0.25%以下(60:7kHz=4:1、Phono入力)
SN比 Phono=57dB
Tuner、Tape=75dB
ダンピングファクター 4Ω=8〜20、 8Ω=16〜40、 16Ω=32〜80
入力感度 Phono=2〜5mV感度調整可能
Tuner、Tape=200mV
トーンコントロール 同軸型で高低、左右別に調整可能
モード stereo、mono、null
消費電力 無音時=125W
最大出力時=500W
外形寸法 幅384×高さ110×奥行254mm
重量 8.64kg
価格 \147,000(1966年発売時)
\135,000(1973年頃)
別売 ウッドケース(\4,000)
          ar-3-2k
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