金田式 V_FET AMP 修理記録
平成27年4月20到着    5月5日完成
A. 修理前の状況
  • 数年前に購入した金田式メインアンプです。
    症状は、通常聞いている音量まで上げると、両chにおいて同様に音が歪むことです。
    極めて小音量では歪みません。
    最近まで症状は出ていなかったのですが、先日、電源を付けたまま、翌日を迎えたところ、このような状況となりました。
    このアンプについては、とても気に入っており、今後もずっと使い続けたく、修理依頼です。


T. 修理前の測定

B. 原因・現状
  • 終段V_FET(電解トランジスター)不良。
    中段TR(トランジスター)不良。
    FET(電解トランジスター)不良。
  • 設計未熟が基本原因です。
    自作品は、メーカー製品と異なり、接続するSPやプリAMP、電源電圧等の変動等に対処していない。
    完成すれば、終わりの自作品に対し、メーカー製品はそこからが本当の仕事です。
    過大入力やSPケーブルの短絡、電源電圧の変動に対処対策等、沢山の動作試験が行われます。
    ここが、自作品とは、大きく異なる所です。
  • 又、安全装置やプロテクトは無く、期器の使用に関しては、使用者が全ての責任を負う。

C. 修理状況
  • 終段V_FET(電解トランジスター)交換。
    初段FET交換。
    中段TR(トランジスター)交換
    違法電源コードを3Pインレットに交換。 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
    各部止めビスが緩んでいるので、増締作業。

D. 使用部品
  • 終段V_FET(電解トランジスター)    4個。
    中段TR(トランジスター)          2個。
    初段FET(電解トランジスター)      4個。
    フイルムコンデンサー           2個。
    3Pインレット                1個 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。


E. 調整・測定

F. 修理費  80,000円   「通常修理」。
                    通常修理は、HP(HomePage)を製作しないのですが、特別に製作。

Y. 納品後のユーザの使用状況

A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上下蓋取り、上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 上下蓋、を取り、下から見る。
A31. 点検中 SP接続端子。
A32. 点検中 SP接続端子。 WBT0765(WBT0735互換)と交換可能。
                 工賃込み特別価格=1.5万円。
A41. 点検中 入力RCA端子郡
A51. 点検中 電源コード取り付け。
A52. 点検中 電源コード。
A53. 点検中 電源コード。 600V試験の記述無。
A54. 点検中 電源コード。 3Pインレットに交換。
                      FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
A61. 点検中 入力ケーブルの基板へのハンダ付け。
A71. 点検中 配線のハンダ付け。 プロの絡げ配線とは異なる、又端子の裏側までハンダが載っていない。
T. 修理前の測定
T1. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
    よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
  下のテクトロオシロは、黄色=左側SP出力波形、赤=右側SP出力波形。
T2. E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧5V=3W出力、 39.7%歪み。
                 L側SP出力電圧5V=3W出力、 40.1%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
C. 修理状況。
C11. 修理前 R側終段V_FET(電解トランジスター)と定電圧終段TR(トランジスター)。
C21. 修理前 L側終段V_FET(電解トランジスター)と定電圧終段TR(トランジスター)。
C31. 修理前 R側ドライブ基板と定電圧ドライブ基板。
C41. 修理前 L側ドライブ基板と定電圧ドライブ基板。
C51. 修理前 R側ドライブ基板裏と定電圧ドライブ基板裏。
C61. 修理前 L側ドライブ基板裏と定電圧ドライブ基板裏。
C71. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー付近
C81. 修理前 電源コード取付
C82. 修理中 電源インレット用穴明け加工。
C83. 修理後 電源インレット。 3Pインレットに交換。FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
C91. 交換部品
C92. 交換部品 コンプリメンタリーのロットが異なる。
C93. 交換部品、 使用したFET(電解トランジスター) 全てロット(53)が同じ。
CA1. 修理前 上から見る
CA2. 修理後 上から見る
CA3. 修理前 下から見る
CA4. 修理後 下から見る
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
   よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.644%歪み。
             L側SP出力電圧16V=32W、 0.634%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W出力、 0.748%歪み。
               L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.754%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.625%歪み。
               L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.637%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.529%歪み。
              L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.542%歪み。
            「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.583%歪み。
             L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.511%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.493%歪み。
               L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.507%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W出力、 0.89%歪み。
               L側SP出力電圧15V=28W出力、 0.91%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E4. フルパワー出力なので、 24V高速フアンが全回転でクーリング。
E5. 24時間エージングで完成、 左は Sansui AU−X11. 5台目
Y. 納品後のユーザの使用状況、配置。
                                vfet-ka_1b
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