Michaelson & Austin TVA−1 7台目修理
寸評
  • 音を聞くと、初めTR(トランジスター)AMPと思わせる、これ真空管AMPと疑う!
    この巨大(強力)なトランスがその原動力でしょう
    マッキンのMC60/275の「サンドイッチ巻き+カソード帰還」による、高域の歪みの軽減の音とは対照的な、
    力強いく荒々しい低音の音が光ります
    真空管AMPの中では、一度は聞きたい機種です
平成18年5月12日到着   7月18日完成
A. 修理前の状況
  • 購入時期は約20年前と思います。最近まで7年ほど使用せずに保管しておりました。
    電源はつき、音はでるのですが、両スピーカーより「ガリガリ」といった雑音がでます。

B. 原因
  • 経年劣化

C. 修理状況
  • 修理状況
    終段(KT−88)USソケット・前段MT管ソケット交換。
    フイルムコンデンサー交換。
    電解コンデンサー増量・交換。
    高圧電解コンデンサー増量・交換。
    整流ダイオード交換。
    電源SW交換。
    SP端子WBT SP端子に交換。
    RCA端子WBT RCA端子に交換。
    配線手直し、補強。
    電源投入リレー取り付け。
    突入電流抑制回路組み込み。
    ゴム足交換。
D. 使用部品
  • フイルムコンデンサー                 9個 。
    USソケット                       4個。
    MTソケット                       4個。
    電解コンデンサー                  10個。
    抵抗                            個 。
    整流ダイオード                     5個
    WBT SP端子 WBT−0702           2組(定価で工賃込み)
    WBT RCA端子 WBT−0201          1組(定価で工賃込み)
    高圧電解コンデンサー                2個。
    ゴム足                          4個。

E. 調整・測定

F. 修理費  130,000円     オーバーホール修理。
                         但し、真空管は別途です。

S. Michaelson & Austin TVA−1 の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況
A11. 修理前点検 上から見る
A12. 修理前点検 USソケット比較 中=交換するステアタイト製、両側=古いモールド製。
A13. 修理前点検 MTソケット比較 上=交換するステアタイト製、下=古いモールド製
A21. 修理前点検 下から見る
A22. 修理前点検 交換されたカソード抵抗、これでは2倍のW数(容量)になり、事故の時、KT−88が昇天してしまう!
              「大きいことは良いこと」は素人の考えです。
     抵抗はKT88を守る為に、焼ける場合あり、無闇に大きくするのは回路が理解出来ていない
A23. 修理前点検 割れた整流ダイオード
A31. 修理前点検 このAMPは新しいバージョンなので、突入電流抑制回路が付けられている、日本向けだけか?
             但し、AC100V回路に24オームの抵抗を入れ、2次回路の高圧電圧でリレーを動作させ、短絡させている。
             真空管を理解していない、設計者の考え! 不十分です!
A4. 修理前点検 電解コンデンサーの安全弁の出口にある端子が腐食している、 電解液が吐出した証拠。
A5. 修理前点検 大分疲労した電源ケーブル付け根
A61. 修理前点検 真空管比較 KT−88。 左が手持ち新品
A62. 修理前点検 真空管比較 12AT7。 左が手持ち新品
A63. 修理前点検 真空管比較 12AX7。 左が手持ち新品
A64. 修理前点検 ゴム足比較 上が交換する物
C. 修理状況
C11. 修理前 前段AMP基板
C11−1. 修理中 前段AMP基板 場所が取れず、かなり離され、直列にされた電解コンデンサー
C12. 修理後 前段AMP基板 真空管ソケット4個、電解コンデンサー5個、フイルムコンデンサー4個交換
C13. 修理前 前段AMP基板裏 銅箔への配線が多い!表に移動する。
C14. 修理(半田補正)後 前段AMP基板裏
C15. 完成前段AMP基板裏 洗浄後
C21. 修理前 整流・バイアス基盤 右端のダイオードに電解コンデンサー液漏れの後がある
C22. 修理後 整流・バイアス基盤 整流ダイオード5個、半固定VR4個、電解コンデンサー5個、フイルムコンデンサー交換
C23. 修理前 整流・バイアス基盤裏
C24. 修理(半田補正)後 整流・バイアス基盤裏
C25. 完成整流・バイアス基盤裏 洗浄後
C31. 修理前 高圧電解コンデンサー
C32. 修理後 高圧電解コンデンサー 
C4. 修理中 RCA端子とSP接続端子の穴加工 ステンレスシャーシ+鉄パネルの合わせ
41. 修理前 RCA端子
C42. 修理後 RCA端子 WBT RCA端子 WBT−0201 を使用
C51. 修理前 SP接続端子
C52. 修理後 SP接続端子  WBT SP端子 WBT−0702 を使用
C6. 修理後 突入電流抑制回路。        詳しくはこちら
C71. 修理前 電源ケーブル
C72. 修理後 電源ケーブル
C8. 交換部品
C91. 修理前 上から見る
C92. 修理後 上から見る
C93. 修理前 下から見る
C94. 修理後 下から見る
C95. 完成 前上から見る
C96. 完成 後上から見る
CA. 電解コンデンサー保護のため、遮熱板を付けると良い、厚紙にアルミホイールを貼っただけ。
E. 調整・測定
E1. 出力・歪み率測定・調整。
    <見方>。
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SP出力を測定。
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計。
   上段左端 電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用。
   上段中左 歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力。
   上段中右 電圧計=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用。
   上段右端 オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max1V」を観測)。
   下段中右上 デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定。
E21. SP出力24.6V=75W 歪み率=3%  1000HZ
E22. SP出力24.4V=75W 歪み率=3%  400HZ
E31. 手持真空管使用 SP出力25V=78W 歪み率=1.5%  1000HZ
E32. 手持真空管使用 SP出力25V=78W 歪み率=1.5%  400HZ
Amp Repair Studio
E4. 残留雑音 0.8mV(1000mV=1V)
       初段がECC83(12AX7)差動プッシュプルです。共通カソードになっていて、差動回路として動作します。
       よって、ヒーターからのハム・ノイズの影響が有りますので、出来るだけ、ヒーター・カソード間の絶縁特性の良い物を
       選別して、使用してください。
       トランスレス真空管TVが全盛の時代には、良い製品が沢山製作されましたが、
       現在ではその様な需要が有りませんので、選別で探すしか方法が有りません。
       又、真空管の性能(増幅率等)には関係有りません。
Amp Repair Studio
E5.  完成 24時間エージング。
Amp Repair Studio
S. Michaelson & Austin TVA−1 の仕様(マニアルより) 
型式 管球式(終段KT−88 PP)ステレオパワーアンプ
実効出力 70W+70W
周波数特性 20Hz〜20kHz ±0.2dB、 10Hz〜25kHz -1.0dB
出力帯域幅 8Hz〜45kHz
SN比 -88dB以上
高調波歪率 0.05%以下(1kHz、5W出力時)
入力感度/インピーダンス 750mV/100kΩ
出力インピーダンス 6〜8Ω、16Ω
電源 AC100V、50Hz/60Hz
外形寸法 幅457mm×高さ190mm×奥行280mm
重量 約32kg
                      tva1-7-15
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