Technics SE−A1 修理記録
平成25年1月17日到着    月日完成
A. 修理前の状況
  • Technics SE-A1 Power amp 1977年モデルです。
     無入力時、Lチャンネルからハムノイズが出まして、Panasonicに修理に出しましたが、 RVDRD6R2EB 2SA683 2SC564 が在庫なく修理不可でとの返事でした。
     特に、全体に経年変化による各部劣化否めず、「修理不能」 ということで帰ってきました。
    このアンプは、初めて買ったアンプで、製造している工場まで見学に行ったことも有り、思い入れも有ります。
     また、現在このクラスのアンプを購入すれば、大変高額な出費になります。
    何とか、新品時の性能に戻ればと思っています。 もちろん、電源コンデンサーなどは、手に入らないと思いますので、 外部に別ケースに入れるなどして改造しても仕方ないと思っています。
     性能が元に戻り、良くなるんでしたら、高額も仕方ないと思っています。
    また、かなり前から右メーターが、電源投入時から少しの間、少しだけ振れていました。

B. 原因
  • 終段TR(トランジスター)以外の未修理部分の存在。

C. 修理状況
  • 左右・終段TR(トランジスター)交換。
    ドライブTR(トランジスター)交換。
    初段FET(電解トランジスター)交換。
    RLバイアス/バランスVR交換。
    電解コンデンサー交換(オーディオコンデンサー使用)。
    配線手直し、補強。
    SP接続リレー交換

D. 使用部品
  • 左右・終段TR(トランジスター)                 個。
    ドライブTR(トランジスター)                   個。
    初段FET                              個。
    バイアス/バランス半固定VR                 個。
    電解コンデンサー                        個。
    フイルムコンデンサー                     個。
    リレー                                個。
    抵抗                                 個。
E. 調整・測定

F. 修理費     0,000円

S. Technics SE−A1 仕様(カタログ・マニアルより抜粋)

A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A21. 点検中 上から見る
A22. 点検中 上蓋・シールドを取り、上から見る
A31. 点検中 下から見る
A32. 点検中 下前から見る
A33. 点検中 下前左から見る
A34. 点検中 下後から見る
A35. 点検中 下後右から見る
A41. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A51. 点検中 SP接続端子とRCA端子。
A61. 点検中 ACコード接続。
C. 修理状況
C01. 修理中 基板を取り除き、清掃し、CRCを軽く塗布し防錆対策、左半分が清掃済み。
C02. 修理中 基板を取り除き、清掃し、CRCを軽く塗布し防錆対策。
C03. 修理中 後パネル裏も清掃し、CRCを軽く塗布し防錆対策。
C11. 修理前 R側基板
C112. 修理前 入力端子基板のRCA端子裏側、これでは重く太いRCAケーブルは使用できない。
C113. 修理中 入力端子基板のRCA端子裏側、外側金具を半田付け、取り付け部は補強。
C114. 修理後 入力端子基板のRCA端子裏側、さらにホットボンドで補強。
C12. 修理後 入力端子基板 電解コンデンサー2個交換
C13. 修理前 入力端子基板裏
C14. 修理(半田補正)後 入力端子基板裏 半田を全部やり直す、フイルムコンデンサー2個追加。 普通はこれで完成。
C15. 完成入力端子基板  洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 L側基板
C22. 修理後 電圧AMPブロック
C23. 修理前 電圧AMPブロック裏
C24. 修理後 電圧AMPブロック裏
C25. 修理前 電圧AMPブロック 終段FET(電解トランジスター)
C26. 修理後 電圧AMPブロック 終段FET(電解トランジスター)
C27. 修理前 電圧ドライブAMP基板
C28. 修理後 電圧ドライブAMP基板 半固定VR2個、電解コンデンサー8個交換
C29. 修理前 電圧ドライブAMP基板裏
C2A. 修理(半田補正)後 電圧ドライブAMP基板裏 半田を全部やり直す、フイルムコンデンサー2個追加。
C2B. 完成R側電圧ドライブ基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 定電圧基板
C32. 修理後 R側電圧コントロールAMP基板 初段FET(電解トランジスター)、電解コンデンサー交換
C33. 修理前 R側電圧コントロールAMP基板裏
C34. 修理(半田補正)後 R側電圧コントロールAMP基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C35. 完成R側電圧コントロールAMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 L側電圧コントロールAMP基板
C42. 修理後 L側電圧コントロールAMP基板 初段FET(電解トランジスター)、電解コンデンサー交換
C43. 修理前 L側電圧コントロールAMP基板裏
C44. 修理(半田補正)後 L側電圧コントロールAMP基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C45. 完成L側電圧コントロールAMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 R側電流AMPブロック
C52. 修理後 R側電流AMPブロック
C53. 修理前 R側電流AMPブロック裏
C54. 修理後 R側電流ドライブAMPブロック裏
C55. 修理中 R側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)、純正品は2SC3280/2SA1301。
C552. 修理中 R側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)、 TR(トランジスター)の方にもシリコングリスの付着が十分。
                        こちらと比較して下さい「C753. 修理中 L側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)」
C553. 修理(交換)後 R側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)
C56. 修理前 R側電流ドライブAMP基板
C57. 修理後 R側電流ドライブAMP基板 半固定VR1個、TR(トランジスター)4個交換。
C58. 修理前 R側電流ドライブAMP基板裏
C59. 修理(半田補正)後 R側電流ドライブAMP基板裏 半田を全部やり直す、フイルムコンデンサー4個追加。
C5A. 完成R側電流ドライブAMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 R側電流コントロールAMP基板
C62. 修理後 R側電流コントロールAMP基板 半固定VR、電解コンデンサー8個、抵抗1個交換
C63. 修理前 R側電流コントロールAMP基板裏
C64. 修理(半田補正)後 R側電流コントロールAMP基板裏 半田を全部やり直す。
C65. 完成R側電流コントロールAMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 L側電流AMPブロック
C712. 修理中 L側電流AMPブロック、 終段TR(トランジスター)の足と基板に隙間あり。
C72. 修理後 L側電流AMPブロック
C73. 修理前 L側電流AMPブロック裏
C732. 修理前 L側電流AMPブロック裏、 終段TR(トランジスター)の足の半田。
C74. 修理後 L側電流ドライブAMPブロック裏
C75. 修理前 L側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)
C752. 修理中 L側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)、 2SC5199/2SA1942に交換されている。
C753. 修理中 L側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)、 TR(トランジスター)の方にシリコングリスの付着が少ない?
                        こちらと比較して下さい「C552. 修理中 L側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)」 
C76. 修理(交換)後 L側電流ドライブAMP終段TR(トランジスター)
C77. 修理前 L側電流ドライブAMP基板
C78. 修理前 L側電流ドライブAMP基板 半固定VR1個、TR(トランジスター)4個交換。
C79. 修理前 L側電流ドライブAMP基板裏
C792. 修理中 L側電流ドライブAMP基板裏、脱「鉛半田」を使用して半田補正した所。
C7A. 修理(半田補正)後 L側電流ドライブAMP基板裏 半田を全部やり直す、 フイルムコンデンター4個追加。
C7B. 完成L側電流ドライブAMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C81. 修理前 L側電流コントロールAMP基板
C82. 修理後 L側電流コントロールAMP基板 半固定VR、電解コンデンサー8個、抵抗1個交換
C83. 修理前 L側電流コントロールAMP基板裏
C84. 修理(半田補正)後 LR側電流コントロールAMP基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C85. 完成L側電流コントロールAMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理前 スピーカ切換基板
C92. 修理前 スピーカ切換基板裏
C93. 修理(半田補正)後 スピーカ切換基板裏 半田を全部やり直す。
C94. 完成スピーカ切換基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 ヘッドホン端子基板・SP切換SW基板
CA2. 修理前 ヘッドホン端子基板裏・SP切換SW基板裏
CA3. 修理(半田補正)後 ヘッドホン端子基板裏・SP切換SW基板裏 半田を全部やり直す。
CA4. 完成ヘッドホン端子基板裏・SP切換SW基板裏  洗浄後防湿材を塗る
CA5. 修理前 メータ照明ランプ基板
CA6. 修理前 メータ照明ランプ基板裏
CA7. 修理(半田補正)後 メータ照明ランプ基板裏
CA8. 完成メータ照明ランプ基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CB1. 修理前 メイン基板
CB2. 修理後 メイン基板 SP接続リーレー3個、半固定VR2個、電解コンデンサー21個交換。
CB22. 修理前 メイン基板ラッピング
CB23. 修理後 メイン基板ラッピング、ラッピング線に半田を浸み込ませる
CB24. 修理前 メイン基板ラッピング2、整流器の曲げ方向が不適切で、左のコネクターが外しにくい!
CB25. 修理後 メイン基板ラッピング2、ラッピング線に半田を浸み込ませる
CB26. 修理前 メイン基板ラッピング3
CB27. 修理後 メイン基板ラッピング3、ラッピング線に半田を浸み込ませる
CB3. 修理前 メイン基板裏
CB32. 修理中 メイン基板裏、リード線曲げ方向不良修正後
CB33. 修理中 メイン基板裏、リード線曲げ方向不良修正後2
CB34. 修理中 メイン基板裏、R側電流AMPの電源整流器の端子、 長い「東北⇔東京⇔大阪」への旅で銅箔剥がれ。
CB35. 修理中 メイン基板裏、R側電流AMPの電源整流器の端子、 銅箔を広げ、さらに錫メッキ銅線で補強する。
CB36. 修理中 メイン基板裏、L側電流AMPの電源整流器の端子、 長い「東北⇔東京⇔大阪」への旅で銅箔剥がれ。
CB37. 修理中 メイン基板裏、L側電流AMPの電源整流器の端子、 銅箔を広げ、さらに錫メッキ銅線で補強する。
CB4. 修理(半田補正)後 メイン基板裏 半田を全部やり直す。
CB42. 修理中 メイン基板裏、リード線曲げ方向不良を修正後。
CB5. 完成メイン基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CC1. 修理前 フューズ基板
CC12. 修理前 フューズ基板ラッピング
CC13. 修理後 フューズ基板ラッピング、ラッピング線に半田を浸み込ませる
CC14. 修理前 フューズ基板ラッピング2
CC15. 修理後 フューズ基板ラッピング2、ラッピング線に半田を浸み込ませる
CC2. 修理前 フューズ基板裏
CC3. 修理(半田補正)後 フューズ基板裏 半田を全部やり直す。
CC4. 完成フューズ基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CD1. 交換した部品
CD2. 交換した部品2
CE1. 修理前 上から見る
CE2. 修理後 上から見る
CE22. 修理後 基板押さえがボロボロなので、上から厚いテープで押さえる。 右側2個対策済み。
CE3. 修理前 下から見る
CE4. 修理後 下から見る
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E2. 電圧AMP「A級動作」の領域、この上から、電流AMP「B級動作」に移行する。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.0029%歪み。
               L側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.0029%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.0031%歪み。
                L側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.0033%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.0043%歪み。
               L側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.0043%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.0045%歪み。
              L側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.005%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.015%歪み。
              L側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.018%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.02%歪み。
               L側SP出力電圧10V=12.5W出力、 0.028%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧9V=10W出力、 0.047%歪み。
                L側SP出力電圧9V=10W出力、 0.051%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. 100kHz入力、R側SP出力電圧7.3V=6.7W出力、 0.19%歪み。
                L側SP出力電圧7.3V=6.7W出力、 0.2%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
              この当たりから、フイルターが効いてきます。
E39. その時のVUメータ。
E4. 完成  24時間エージング。
S. Technics SE−A1 仕様(マニアル・カタログより) 
型式 ステレオDCパワーアンプ SE−A1
AMP部
実効出力(両ch駆動) 350W+350W(4Ω、20Hz〜20kHz)、 350W+350W(8Ω、20Hz〜20kHz)
全高調波歪率 0.003%(定格出力時、20Hz〜20kHz)、測定不能(定格出力時、1kHz)
0.01%(175W、定格出力-3dB時、100kHz)
出力帯域幅 5Hz〜100kHz(8Ω、両ch駆動、歪率0.01%)
周波数特性 20Hz〜20kHz +0 -0.05dB、 DC〜200kHz +0 -1dB
SN比(IHF-A) 120dB
残留雑音 500μV(150μV、IHF-A)
ダンピングファクター 100(8Ω)
スルーレート 70V/μsec以上
入力感度/インピーダンス 1V〜10V(連続可変)/47kΩ
負荷インピーダンス A or B or C or D=4Ω〜16Ω
A+B or B+C or A+C=8Ω〜16Ω
A+B+C=16Ω
メーター特性
指示範囲 -50dB〜+10dB(等間隔対数圧縮表示目盛)
周波数特性(指示精度) ±3dB(−40dB未満、10Hz〜10kHz)
±1dB(−40dB以上、10Hz〜20kHz)
アタックタイム 50μ sec
リカバリタイム 750msec(0dB→−20dB)
ピークメーター アタックタイム50μsec
20kHz1波でも正確に指示する高速応答のを搭載しています。
目盛は+10dB〜-50dBの等間隔対数圧縮表示。
総合
ファンクションSW レベルプリセット可能の4系統独立スピーカ出力コントロール スイッチ(0〜-20dB)。
4ステップスピーカインピーダンス切換(4/6/8/16Ω) 。
使用スピーカのインジケーター 。
ピークパワーメータ。
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 カタログ表記です
   1979年1月・・・1000W
   1981年1月・・・750W
外形寸法 幅450×高さ249×奥行550mm
重量 51kg
標準価格 受注生産品 1,000,000円(1977年11月発売)
特長 A級の利点はそのままに効率を上げたA級。
電源部は大容量トロイダルトランスを左右各1個。
  電解コンデンサはA級アンプ用に100,000μF×4。
  電源アンプ用に22,000μF×4。
  1チャンネル当り4電源、計8電源構成。
DCドリフト対策はアクティブ・サーマル・サーボアンプを採用。
スピーカー保護、終段トランジスタの温度上昇+電流リミッタ。
4ステップスピーカーインピーダンス切換(4/6/8/16Ω)
レベルプリセットが可能な4系統独立のスピーカー出力コントロールSW
  (0〜-20dB)。
メーター用の4ステップスピーカーインピーダンス切換スイッチ。
プリアンプの電源ON-OFFで、電源をリモートコントロールできる。
                   se-a1_h
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