Sansui AU−α607 MOS Limited修理記録
2022/7/15到着  8/5完成 
注意 このAMPはRL−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
A. 修理前の状況
  • オーバーホール修理依頼。
    「B側SP出力」が弱く出っぱなし、B選択SWでLEDは入り/切りするが出力は変化無。

B. 原因
  • 各部経年劣化。
C. 修理状況
  • SP接続リレー交換。
    バランス・バイアス半固定VR交換。
    各基板の半田不良を修理します、所謂、半田補正作業。
    電解コンデンサーをオーディオコンデンサーに交換。
    前パネル裏、ツマミエスカッション接着。
    SP接続端子2組交換
    入出力RCA端子交換


D. 使用部品
  • バランス/バイアス半固定VR 13mmΦ高級品       10個。
    SP接続リレー                              2個。
    電解コンデンサー(ミューズ使用)               61個。
    フイルムコンデンサー                      10個。
    セラミックコンデンサー                      6個。
    抵抗                               102個。
    SP接続端子                          2組8個。
    テフロン絶縁製RCA端子                 14組28個。


E. 調整・測定

F. 修理費  160,000円     オーバーホール修理。
                         お馴染みさん価格。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sansui AU−α607 MOS Limited の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 完成後 上から見る
A16. 点検中 左右パネル・上下蓋を取り、上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る。
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 左右パネル・上下蓋を取り、下から見る
A31. 点検中 SP接続端子。取り付け穴が大きく、後ろに基板ある。
A32. 点検中 SP接続端子。取り付け穴が大きく、後ろに基板あるのでWBT製品のみ交換可能。
           後ろの基板構造上WBT−0705Cuに2組交換。 WBT−0705Agも使用可能。
A33. 点検中 SP接続端子。手持ち中国製に交換する。 上は直線専用、下はラグ板対応。
A41. 点検中 XLR入力端子。綺麗です。
A42. 点検中 XLR入力端子。後発の金メッキ製と交換可能。 NEUTRICNC3MP-B、NEUTRICNC3FP-B-1
A51. 点検中 入出力RCA端子。
A52. 点検中 入出力RCA端子。 テフロン絶縁製に交換。
A53. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A54. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A55. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 後パネルを外して倒し、修理中。
C11. 修理前 Protector(SP接続リレー)基板。
C12. 修理中 Protector(SP接続リレー)基板。 SP接続端子2個を取る。
C13. 修理後 Protector(SP接続リレー)基板。 接続リレー2個、電解コンデンサー12個交換。
           写真紛失
C14. 修理前 Protector(SP接続リレー)基板裏。
C15. 修理(半田補正)後 Protector(SP接続リレー)基板裏、 全半田やり直し。
C16. 完成Protector(SP接続リレー)基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 SP接続端子。
C22. 修理(交換)後 SP接続端子。 
C23. 修理(交換)後 SP接続端子。 WBT 0681Agを挿した所。
C31. 修理前 R側ドライブ基板
C312. 修理前 R側AMP基板。電解コンデンサー固定用の接着材、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C313. 修理後 R側AMP基板。 電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いて、防湿材を塗る。
C32. 修理後 R側ドライブ基板 初段FET2個、半固定VR4個、電解コンデンサー10個、抵抗4本交換、フイルムコンデンサー2個追加。
C33. 修理前 R側ドライブ基板裏
C34. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏。 全半田やり直し。
C35. 完成R側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 R側終段基板
C42. 修理後 R側終段基板 電解コンデンサー1個交換。
C43. 修理前 R側終段基板裏
C44. 修理(半田補正)後 R側終段基板裏、 全半田やり直し。
C45. 完成R側終段基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 L側ドライブ基板。
C512. 修理中 L側AMP基板。電解コンデンサー固定用の接着材、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C513. 修理後 L側AMP基板。 電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いて、防湿材を塗る。
C52. 修理後 L側ドライブ基板。 初段FET2個、半固定VR4個、電解コンデンサー10個、抵抗4本交換、フイルムコンデンサー2個追加。
C53. 修理前 L側ドライブ基板裏。
C54. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏。 全半田やり直し。
C55. 完成L側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 L側終段基板。
C62. 修理後 L側終段基板 電解コンデンサー2個交換。
C63. 修理前 L側終段基板裏
C64. 修理(半田補正)後 L側終段基板裏、 全半田やり直し。
C65. 完成L側終段基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 前パネルを外し、前シャシーを倒して修理中。
C72. 前シャシー裏。 基板への配線はコネクターを使用せず直ずけなので、修理は大変。
C81. 修理前 コントロール基板
C82. 修理後 コントロール基板 半固定VR2個、電解コンデンサー4個交換。フイルムコンデンサー2個追加。
C83. 修理前 コントロール基板裏
C84. 修理(半田補正)後、全半田やり直し。 コントロール基板裏。
C85. 完成コントロール基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理中 メインVR基板
C92. 修理前 メインVR基板裏
C93. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏、全半田やり直し。
C94. 完成メインVR基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理中 入力切替SW基板
CA2. 修理前 入力切替SW基板裏
CA3. 修理(半田補正)後 入力切替SW基板裏、全半田やり直し。
CA4. 完成入力切替SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CB1. 修理中 PowerAmpDirectSW基板
CB2. 修理前 PowerAmpDirectSW基板裏
CB3. 修理(半田補正)後 PowerAmpDirectSW基板裏、全半田やり直し。
CB4. 完成PowerAmpDirectSW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CB5. 修理中 PowerAmpDirectLED表示基板
CD6. 修理前 PowerAmpDirectLED表示基板裏
CD7. 修理(半田補正)後 PowerAmpDirectLED表示基板裏  全半田やり直し
CD8. 完成PowerAmpDirectLED表示基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CC1. 修理前  SourcePowerDirectSW基板。
CC2. 修理前 SourcePowerDirectSW基板裏
CC3. 修理(半田補正)後 SourcePowerDirectSW基板裏、全半田やり直し。
CC4. 完成SourcePowerDirectSW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CD1. 修理中 TapePlay選択SW基板
CD2. 修理前 TapePlay選択SW基板裏
CD3. 修理(半田補正)後 TapePlay選択SW基板裏  全半田やり直し
CD4. 完成TapePlay選択SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CE1. 修理中 Head Phone Jack基板
CE2. 修理中 Head Phone Jack基板裏
CE3. 修理(半田補正)後 Head Phone Jack基板裏、全半田やり直し。
CE4. 完成Head Phone Jack基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CF1. 修理前 EQアンプ基板
CF2. 修理後 EQアンプ基板 電解コンデンサー13個交換、フイルムコンデンサー2個追加。
CF3. 修理前 EQアンプ基板裏
CF4. 修理(半田補正)後 EQアンプ基板裏、 全半田やり直し。
CF5. 完成EQアンプ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CG1. 修理前 入出力RCA端子。
CG2. 修理(交換)後 入出力RCA端子。テフロン絶縁製交換。不要ビス穴はビスで埋める。
CG3. 修理前 XLR入力端子裏配線。アース端子が未接続。
CG4. 修理(交換)後 XLR入力端子裏配線。アース端子はしっかり配線。
CH1. 修理中 入力RCA端子基板。
CH2. 修理中 入力RCA端子基板裏。
CH3. 修理中 プロセッサー帰りRCA端子基板。
CH4. 修理中 プロセッサー帰りRCA端子基板裏。
CH5. 修理中 パワーAMPダイレクトRCA端子基板。
CH6. 修理中 パワーAMPダイレクトRCA端子基板裏。
CI1. 修理前 整流・定電圧基板。
CI2. 修理後 整流・定電圧基板 電解コンデンサー10個交換、セラミックコンデンサー4個追加。
CI3. 修理前 整流・定電圧基板裏。
CI4. 修理(半田補正)後 整流・定電圧基板裏。 全半田やり直し。
CI5. 完成整流・定電圧基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CJ1. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー下。
CJ2. 修理後 電源ブロック電解コンデンサー下。 フイルムコンデンサー2個追加。
CK1. 修理中 電源表示LED基板
CK2. 修理中 電源表示LED基板裏
CK3. 修理(半田補正)後 電源表示LED基板裏、全半田やり直し。
CK4. 完成電源表示LED基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CM1. パネル清掃
CN1. 修理前 3Pインレット裏配線。
CN2. 修理(交換)後 3Pインレット裏配線、アースはしっかり取る。
CO1. 交換部品
CO1. 修理前 上から見る
CO2. 修理後 上から見る
CO3. 修理前 下から見る
CO4. 修理後 下から見る
CO6. 完成後から見る。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. CD_50Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00485%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00474%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. CD_100Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00466%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00473%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. CD_500Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00608%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00698%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. CD_1kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00911%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00907%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. CD_5kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0176%歪み。
                 L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0178%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E16. CD_10kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.01255%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0192%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. CD_20kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0365%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0379%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM_50Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00872%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00893%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM_100Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00627%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00583%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM_500Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00998%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.01095%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM_1kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.00988%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.01199%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM_5kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0198%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0200%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. MM_10kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0257%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0258%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM_20kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0201%歪み。
                  L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0203%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成  24時間エージング、 左は Sony TA−F333ESXU
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. Sansui AU−α607 MOS Limited の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドアンプ AU−α607 MOS Limited
パワーアンプ部
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0dB、-3dB
実効出力(10Hz〜20kHz、両ch同時動作) 75W+75W(6Ω)、 50W+50W(8Ω)
全高調波歪率(実効出力時) 0.008%以下(8Ω)
混変調歪率 0.008%以下(8Ω)
ダンピングファクター 150(8Ω)
入力感度/インピーダンス 1V/10kΩ(1kHz)
SN比(Aネットワーク) 120dB以上
ダイナミックパワー 100W(2Ω)、 95W(4Ω)、 75W(6Ω)
TIM歪(SAWTOOTH) 測定限界値以下
スルーレイト 180V/μsec(8Ω)
ライズタイム 0.6μsec
プリアンプ部
周波数特性(1W) CD、Tuner、DVD/Line、Tape-1/MD、Tape-2:
DC〜300kHz +0dB、-3dB
Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB
入力感度/インピーダンス
(1kHz)
Phono MM:2.5mV/47kΩ、 Phono MC:300μ/100Ω
CD、Tuner、DVD/Line、Tape-1/MD、Tape-2:150mV/20kΩ
Phono最大許容入力 MM(THD 0.01%):210mV、 MC(THD 0.1%):21mV
SN比(Aネットワーク) Phono MM:88dB以上、 Phono MC:70dB以上
CD、Tuner、DVD/Line、Tape-1/MD、Tape-2:110dB以上
トーンコントロール Bass最大変化量:±6dB(50Hz)、 Treble最大変化量:±6dB(15kHz)
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB)、6dB/oct
ラウドネス +6dB(50Hz)、 +4dB(10kHz)
総合
定格消費電力 170W
無信号消費電力 52W
外形寸法 幅466x高さ162x奥行452mm
重量 22.5kg
価格 限定生産品 ¥180,000(1999年発売)
                      a607mossli-3q
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