Sansui AU−α607L Extra 修理記録
2023/3/22持込  6/3完成 
注意 このAMPはRL−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
A. 修理前の状況
  • 電源入らず。
    オーバーホール修理依頼。

B. 原因
  • 電源SW焼損。
    各部経年劣化。
C. 修理状況

D. 使用部品
  • バランス/バイアス半固定VR 13mmΦ高級品 10個。
    SP接続リレー               2個。
    電解コンデンサー(ミューズ使用)     53 個。
    フイルムコンデンサー            2個。
    セラミックコンデンサー           6個。
    抵抗                   2個。
    SP接続端子、中国製          4組8個。
    テフロン絶縁製RCA端子   13組26個+TV用黄色2個。
    3PインレットFURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ   1個。
    電源SW                   1個。

E. 調整・測定

F. 修理費  150,000円     オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sansui AU−α607L Extra の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 完成後 上から見る
A16. 点検中 上下蓋を取り、上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る。
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A27. 点検中 下蓋を取り、下から見る。 埃が沢山!
A28. 点検中 下蓋裏の埃が沢山!
A31. 点検中 電源コード取り付け。          
A32. 点検中 電源コード取り、3Pインレットに交換可能。使用する3Pインレットは FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
A41. 点検中 SP接続端子。取り付け穴が大きく、後ろに基板あるので使用出来る端子は限られます。
A42. 点検中 SP接続端子。取り付け穴が大きく、後ろに基板ある。大きい取付穴なのでWBT製品に交換可能。
           WBT−0705Cuに上1組交換。 WBT−0705Agも使用可能。
A43. 点検中 SP接続端子。手持ち中国製に交換。 ラグ端子を使用しないので、直線専用を選択、下はラグ板対応。混在可能。
A44. 点検中 手持ち中国製に交換例。 
A45. 点検中 手持ち中国製に交換。 WBT 0681Agを挿した所。
A51. 点検中 入出力RCA端子。
A52. 点検中 入出力RCA端子。 テフロン絶縁製に交換、TV用黄色2個は非テフロン絶縁。
A53. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A54. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A55. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 後パネルを外して倒し、修理中。
C11. 修理前 Protector(SP接続リレー)基板。
C12. 修理中 Protector(SP接続リレー)基板。 SP接続端子2個を取る。
C13. 修理後 Protector(SP接続リレー)基板。 接続リレー2個、電解コンデンサー12個交換。
C14. 修理前 Protector(SP接続リレー)基板裏。
C15. 修理(半田補正)後 Protector(SP接続リレー)基板裏、 全半田やり直し。
C16. 完成Protector(SP接続リレー)基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C17. 修理前 SP接続端子。
C18. 修理(交換)後 SP接続端子。手持ち中国製に交換、ラグ端子を使用しないので、直線専用を選択。
C21. 修理前 R側終段AMPブロック
C22. 修理後 R側終段AMPブロック
C23. 修理前 R側終段AMPブロック下
C24. 修理後 R側終段AMPブロック下
C31. 修理前 R側終段基板
C311. 修理後 R側終段TR(トランジスター) LAPT2=Linear amplifier power transistor.
C32. 修理後 R側終段基板 電解コンデンサー1個交換。
C33. 修理前 R側終段基板裏
C34. 修理(半田補正)後 R側終段基板裏。 全半田やり直し。
C35. 完成R側終段基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 R側ドライブ基板
C42. 修理後 R側ドライブ基板 半固定VR4個、電解コンデンサー14個交換。
C43. 修理前 R側ドライブ基板裏
C44. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏、 全半田やり直し。
C45. 完成R側ドライブ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 L側終段AMPブロック。
C52. 修理後 L側終段AMPブロック。
C53. 修理後 L側終段AMPブロック下
C54. 修理後 L側終段AMPブロック下
C61. 修理前 L側終段基板。
C611. 修理後 L側終段TR(トランジスター) LAPT2=Linear amplifier power transistor.
C62. 修理後 L側終段基板 電解コンデンサー1個交換。
C63. 修理前 L側終段基板裏。
C64. 修理(半田補正)後 L側終段基板裏。 全半田やり直し。
C65. 完成L側終段基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 L側ドライブ基板。
C72. 修理後 L側ドライブ基板 半固定VR4個、電解コンデンサー14個交換。
C73. 修理前 L側ドライブ基板裏
C74. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏、 全半田やり直し。
C75. 完成L側ドライブ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C8. 前パネルを外し修理中。
C81. 修理前 コントロール基板
C82. 修理後 コントロール基板 半固定VR2個、電解コンデンサー1個交換。
C83. 修理前 コントロール基板裏
C84. 修理(半田補正)後、全半田やり直し。 コントロール基板裏。 セラミックコンデンサー2個、抵抗2本追加。
C85. 完成コントロール基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理中 メインVR基板
C92. 修理前 メインVR基板裏
C93. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏、全半田やり直し。
C94. 完成メインVR基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C95. 修理中 LED表示基板
C96. 修理中 LED表示基板裏
C97. 修理(半田補正)後 LED表示基板裏、全半田やり直し。
C98. 完成LED表示基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 入力選択切替SW基板。
CA2. 修理前 入力選択切替SW基板裏
CA3. 修理(半田補正)後 入力選択切替SW基板裏、全半田やり直し。
CA4. 完成入力選択切替SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CB1. 修理中 TapeSelectorSW基板
CB2. 修理前 TapeSelectorSW基板裏
CB3. 修理(半田補正)後 TapeSelectorSW基板裏、全半田やり直し。
CB4. 完成TapeSelectorSW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CC1. 修理中 PowerAmpDirectSW基板
CC2. 修理前 PowerAmpDirectSW基板裏
CC3. 修理(半田補正)後 PowerAmpDirectSW基板裏、全半田やり直し。
CC4. 完成PowerAmpDirectSW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CD1. 修理中 Head Phone Jack基板
CD2. 修理中 Head Phone Jack基板裏
CD3. 修理(半田補正)後 Head Phone Jack基板裏、全半田やり直し。
CD4. 完成Head Phone Jack基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CE1. 修理中 電源SW基板。
CE2. 修理中 電源SW基板裏。
CE3. 修理(半田補正)後 電源SW基板裏。 全半田やり直し。
CE4. 完成電源SW基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CE5. 修理中 電源SW比較。 上=着いていた焼損品、下=交換品。
CF1. 修理前 EQアンプ基板
CF2. 修理後 EQアンプ基板 電解コンデンサー13個交換。
CF21. 修理中 EQアンプ基板 MM/MC切り替えSW端子。
CF22. 修理(清掃)後 EQアンプ基板 MM/MC切り替えSW端子。
CF3. 修理前 EQアンプ基板裏
CF4. 修理(半田補正)後 EQアンプ基板裏、 全半田やり直し。
CF5. 完成EQアンプ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CG1. 修理前 入出力RCA端子。
CG2. 修理(交換)後 入出力RCA端子。テフロン絶縁製に交換。不要ビス穴はビスで埋める。
CH1. 修理中 入出力RCA端子基板。RCA端子交換の為、直付に変更するので不要。
CH2. 修理中 プロセッサー帰RCA端子基板。RCA端子交換の為、直付に変更するので不要。
CI1. 修理中 パワーAMPダイレクトRCA端子基板。
CI2. 修理中 パワーAMPダイレクトRCA端子基板裏。
CI3. 修理(半田補正)後 パワーAMPダイレクトRCA端子基板裏。 全半田やり直し。
CI4. 完成パワーAMPダイレクトRCA端子基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CJ1. 修理前 整流・定電圧基板。
CJ2. 修理後 整流・定電圧基板 電解コンデンサー10個交換。
CJ3. 修理前 整流・定電圧基板裏。
CJ4. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏。 全半田やり直し。セラミックコンデンサー4個追加。
CJ5. 完成整流・定電圧基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CK1. 修理前 ヒューズ基板。
CK2. 修理前 ヒューズ基板裏。
CK3. 修理(半田補正)後 ヒューズ基板裏。 全半田やり直し。
CK4. 完成ヒューズ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CL1. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー下。
CL2. 修理後 電源ブロック電解コンデンサー下。 フイルムコンデンサー2個追加。
CM1. パネル清掃
CN1. 修理前 電源コード取り付け。
CN2. 修理中 電源コード取り、3Pインレット取り付け穴開け。
CN3. 修理(交換)後 電源コード取り、3Pインレットに交換。使用する3Pインレットは FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
CN4. 修理(交換)後 3Pインレット裏配線、アースはしっかり取る。
CO1. 交換部品
CO2. 交換部品 熱で割れた半固定VR。
CO3. 交換部品3 SP接続リレー、接点が酸化して真っ黒。
CO4. 交換部品4 SP接続リレー拡大、接点が酸化して真っ黒。
CP1. 修理前 上から見る
CP2. 修理後 上から見る
CP3. 修理前 下から見る
CP4. 修理後 下から見る
CP5. 完成後から見る。
CP6. 完成綺麗になって帰ります。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. CD_50Hz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.00399%歪み。
                L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.00524%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. CD_100Hz入力、R側SP出力電圧28V=98W出力、 0.00843%歪み。
                 L側SP出力電圧28V=98W出力、 0.00694%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. CD_500Hz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.00847%歪み。
                 L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.00899%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. CD_1kHz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0124%歪み。
                L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0101%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. CD_5kHz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0128%歪み。
                L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0266%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E16. CD_10kHz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0150%歪み。
                 L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0164%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. CD_20kHz入力、R側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0112%歪み。
                 L側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0145%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM_50Hz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0388%歪み。
                L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0523%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM_100Hz入力、R側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0372%歪み。
                 L側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0277%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM_500Hz入力、R側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0208%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0198%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM_1kHz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0299%歪み。
                L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0250%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM_5kHz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0304%歪み。
                L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.0379%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. MM_10kHz入力、R側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0339%歪み。
                 L側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0447%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM_20kHz入力、R側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0318%歪み。
                 L側SP出力電圧28V=98W出力、 0.0434%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. Sansui AU−α607L Extra の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドアンプ AU−α607L Extra
パワーアンプ部
実効出力(10Hz〜20kHz、両ch駆動) 105W+105W(6Ω)、 90W+90W(8Ω)
ダイナミックパワー 280W(2Ω)、 220W(4Ω)、 155W(6Ω)
全高調波歪率(実効出力時) 0.003%以下(8Ω)
混変調歪率 0.003%以下(8Ω)
ダンピングファクター 150(8Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス(1kHz) 1V/5kΩ
SN比(Aネットワーク) 120dB以上
TIM歪(SAWTOOTH) 測定限界値以下
スルーレイト 180V/μsec
ライズ・タイム 0.6μsec
プリアンプ部
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono MM=2.5mV/47kΩ、 Phono MC=390μV/100Ω
CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2、3=150mV/20kΩ
Phono最大許容入力 MM(THD 0.01%)=210mV、 MC(THD 0.1%)=21mV
周波数特性 Phono MM=20Hz〜20kHz ±0.2dB
CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2、3=DC〜200kHz +0 -3dB
SN比 Phono MM=88dB以上、 Phono MC=70dB以上
CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2、3=110dB以上
トーンコントロール Bass=±6dB(50Hz)、 Treble=±6dB(15kHz)
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB)、6dB/oct
ラウドネス +6dB(50Hz)、+4dB(10kHz)
総合
定格消費電力 250W
外形寸法 幅430x高さ160x奥行450mm
重量 18.0kg
別売 リアルサイドウッド SW-AU1(¥10,000)
価格 ¥85,000(1989年頃)
                      a607lextra_42
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